2015/02/05

城崎温泉

 このたびの山陰本線の旅では、途中、城崎温泉に立ち寄った。
 山陰本線もこのあたりは幾度となく乗っているのだが、ここ城崎温泉で下車したことがこれまで一度もなかった。また、全国の温泉地は随分とあちこち訪ねていて、城崎温泉は一度は入ってみたいと念願していたところだった。
 1月30日土曜日、城崎温泉駅に降り立つと猛吹雪。横殴りに雪が降っている。傘が役に立たないほどだ。
 駅前から温泉街が伸びていて、左右の土産物屋などを冷やかしながら進むとほどなく川に突き当たる。
 大谿川で、地蔵橋の左右、その両岸に旅館が軒を連ねている。大半が木造で、3階建ても少なくない。両岸には柳の並木もあり、文人墨客が好んだ温泉場という味わい深い風情が感じられる。巨大な温泉ホテルが見当たらない分、落ち着いた情緒がある。
 七湯ある外湯巡りがここの名物だという。外湯巡りという言葉もここから発せられたのだということである。
 外湯は大谿川の川沿いに点在している。遠いところでも駅から10分ほどだからとても便利。
 案内所でそれぞれの外湯の泉質を訪ねたところ、どこも一緒だという。聞けば、四つある源泉を一つにまとめ、そこから集中配管でそれぞれの外湯や旅館に送られている仕組みらしい。
 しかし、これはいささか温泉好きには物足りない。せっかくなら様々な源泉の風呂に入ってみたいもの。数十年前からこういうことになったらしいが、近代的で効率がいいとはいえこれはいかがなものか。少々がっかりした。
 それで、どれか一つにでも入ってみれば一緒ということで「一の湯」という外湯を選んだ。
 なかなか立派な作りの外湯で、湯船も大きい。浸かってみるとこれがまずまず。42度ほどか。身体が冷え切っていたせいでもあるのだろうが、ぬるくもなく熱くもない。熱いのが好きな自分としてはもう1、2度くらいは上げて欲しいように思われたが、大勢の客を相手にするならこれくらいだろう。あるいは外湯ごとに提供する湯温に違いがったのかもしれないが、それは調べなかった。
 舐めてみたらほとんど無色無味無臭で、わずかに塩分が感じられた。浴場の掲示板によると、四つの源泉は37度から83度あってそれを混合して供給しているらしい。この一の湯は59.1度とあった。
 外湯とは共同浴場のことだろうが、ここの外湯は宿泊客や外来者のためのものであろう。それで入浴料も600円と高かったのだ。
 これが、同じ外湯が名物になっている野沢温泉などは、地元住民のためのものでもあるから無料が原則。草津温泉もそうだった。とくに野沢温泉などは外湯ごとにすべて泉質が違うので、外湯巡りも楽しいものだったが、この城崎温泉ではちょっと様相が違った。
 この日は土曜日ではあったが吹雪。それでも大勢の観光客が訪れていたからやはり人気の温泉場などであろう。とくにカニのこの季節は賑わうようだ。
 私もカニを食べたいと思っていたのだが、定食で5千円前後。昼食としては高すぎて残念ながら手が出なかった。それで、列車の中でいただこうとカニの箱寿司を購入したが、これがとてもおいしかった。1100円。


写真1 横殴りの吹雪が迎えてくれた城崎温泉駅。


写真2 大谿川の両岸に旅館が軒を連ね情感たっぷりの城崎温泉。


写真3 七湯ある外湯巡りが名物。これは「一の湯」。

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