2015/01/20

貨物列車

 鉄道好きではあるが、その対象が貨物列車にまで及んだことはこれまでない。
 もっとも、駅のホームなどで通過する貨物列車を見かけると、どこから来たのか、どこへ行くのか気になるし、ガタンガタンという音を聞いているとうっとりしてくるし、今の季節なら、貨車の屋根に雪などかぶっているのを見かけると、雪国からはるばる来たのだろうなと思ったりしてなおさら郷愁を誘われるから、やはり嫌いではないのであろう。
 以前読んだ川本三郎の本で関川夏央の著作が紹介されていて、貨物列車の最後尾に連結されている車掌車を書斎代わりにするというくだりがあって、俄然、貨物列車に興味がわいてきたのだった。
 で、その車掌車を探したのだが、これがなかなか見かけることがない。通過する列車をじっと見守っているのだが、なかなか現れない。昔は必ずといってよいほどに連結されていたがどうなったのか。
 調べてみたら、特殊な編成の場合を除き原則廃止されたらしい。これははなはだ残念で、それならと展示されている博物館ならばということで、動態保存されているという真岡鉄道の鉄道博物館にまで出かけてきたこともあったようなことだった。
 こんなことをしていたらいつしか貨物列車にまで興味が向くようになって、時折、休日に出かけては貨物列車を観察している。
 やってみるとこれがなかなか面白い。数十両にも及ぶ長大編成のもの、わずか数量程度というものもある。貨車の大半はコンテナ。物流の合理化から今やこれが主流なのであろう。タンク車もよく見かける。有蓋貨車や無蓋貨車は昔と違ってこの頃では見かけることは少なくなった。
 タンク車の中には〇〇石油輸送などとユーザー名が入っているものもあるし、同様にコンテナ車でもよく見かける。中には、数十両丸ごと一編成が宅配業者用というのもあるようだ。
 武蔵野線南流山駅。片側1線のホームが相対しているほか、上下線の間に通過するための中線が設けられている。この駅はつくばエクスプレス線とクロスしているが客扱いとしてはさほど大きな駅ではない。
 ただ、貨物としては、武蔵野線に接する東北や常磐、総武などと各方面からの列車が通過しているし、列車本数は日に上下合わせ約20本ほどか、なかなか賑やか。
 武蔵野線はそもそも貨物線だったもの。そういう伝統があって今日でも貨物線としては幹線になっているのであろう。この南流山駅の数駅先には越谷貨物ターミナルがあるし、隅田川駅とも直接結ばれているし。
 1月17日土曜日。快晴。南流山駅で貨物列車の通過を観察していた。まず初めは1番線上りホーム三郷寄りに陣取り。2番線を通過する下り列車を撮影するにはこの位置が絶好のようで、すでに4人もの鉄道ファンが待機している。そうこうして9時48分、2番線に貨物列車が接近してきた。一斉にシャッターが切られる。
 EF652040電気機関車に牽引されている。なかなか長い編成で大半がコンテナ車。しずしずと通過していく。ホームで電車を待っている乗客も貨物列車は珍しいのか、スマートフォンなどを向けている者もいる。
 次に、しばらくして10時26分、同じく2番線にEF6633に引かれて列車が入ってきた。これは短くて、タンク車やコンテナ車が混ざった10両ほどの編成だった。
 この列車が通過し終わるや、カメラマンが一斉に走り出した。同じ1番線の新松戸方に向かう者、反対側の2番線ホームに移る者と判断が分かれた。大半はそのまま同じーホームを反対サイドに移動したが、一人だけ向かい側ホームに駆けていった。
 私もつられて1番線新松戸寄りに急いだ。ところがここにもすでに待機している者がいる。絶好のカメラポジションを狙っているわけである。
 まず、10時29分、上り線を電気機関車EF641042が単機通過していった。貨車は連結されていなかった。
 この時点で、この位置取りは最適ではないことがわかった。架線の柱が邪魔をするのである。また、列車を正面近くに迎えることとなり、アングルがあまりよくない。隣のホームに移動した者の判断が理解できた。
 しかし、次の列車が接近してきて当初の判断でよかったことがわかった。つまり、10時33分、EF622117に牽引されてこの列車は中線を入ってきたのである。この中線を入ってきた列車がこの日この時間帯のハイライトだったのである。中線の列車をとらえるならばこの上り線ホームからが最適で、どうやら、向かい側ホームからでは逆光になるようだった。
 さて、中線を入ってきた列車はホームにさしかかったところでしばらく停車した。この間も、1番線上りホームには府中本町方面、2番線下りホームには東京方面の電車が頻繁に出入りしている。この駅は面白いことに東京行きが下りなのである。
 ある瞬間には、2番線に下り電車、中線に貨物列車、1番線に上り電車が揃って南流山駅構内に入っている場面を目撃できた。
 南流山駅の次は隅田川駅に移動した。常磐線の南千住駅に隣接してあり貨物専用駅。貨物ターミナルとは謳ってはいないが、おそらくそういう役割の駅であろう。数十本はあろうか、おびただしいほどの側線があり、しきりに貨車の入れ替え作業が行われ、編成が整ったものであろう、貨物列車が出場する風景が観察できた。
 


写真1 下り線を流山駅に接近してきた貨物列車。同駅1番線上りホーム上から撮影。


写真2 南流山駅中線に入ってきた上り貨物列車。列車の通過を見守る左は2番線下りホーム、右は1番線上りホームの人々。


写真3 隅田川駅の風景。貨物専用駅で、左は入れ替え作業中のハイブリッドディーゼル機関車、右が出場していく貨物列車。

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