2014/11/07

中井精也写真展

 先日のこと、つくばからの帰途茨城県筑西市の下館を訪ねたについては、小さな城下町をぶらぶらしてみたかったことと、折から開催中の中井精也写真展を見たかったからで、この二つのことができたことでこのたびの下館行は楽しいものとなったのだった。
 写真展はしもだて美術館で開かれていて、美術館は下館駅から大通りをまっすぐに7、8分くらいのところだった。
 中井精也は鉄道写真家。「ゆる鉄」などと標榜して人気がある。テレビのレギュラー番組も多く、NHKBSの番組などは中井のキャラクターがよく表れているし、内容が啓蒙的でもあって好んで見ている。毎日1枚の鉄道写真撮影を活動にしていて、このたびの写真展も「1日1鉄」とのタイトルが付されている。
 会場にはおよそ120点ほどの作品が展示されていたであろうか。順にじっくりと見ていったが、鉄道のある風景が多彩に描かれている。
 なるほど、ゆる鉄と呼ばれている意味がわかった。作品は絶景風景もあるがそればかりではないし、鉄道のダイナミズムさも面白いがそればかりでもない。
 それよりも列車の入っていない写真すら少なくない。ちょっとしたシャッターチャンスを活かしたさりげない表情や、鉄道にまつわる様々な風景がとらえられている。構図が面白いし着想が独創的でもある。
 この展覧会で特徴的なことは館内の写真撮影が自由なこと。日本の展覧会では写真展といわず希有な例でこれは気に入った。
 日が暮れた雪原を行く列車、草原を走る列車、あかね色の夕日に鈍く光る鉄路といった美しい風景があり、列車通学の女子高生の笑顔、雨合羽を着た幼児と列車、ホームのベンチで遊ぶ子供たちなどとあって癒やされる写真も少なくない。
 海外ではパリのサン・ラザール駅を写したものがあって、この駅はモネの絵でも有名なのだが、この写真はどの角度から撮ったものなのか独特のとらえ方に感心したし、パリ北駅ではいかにも欧州の鉄道らしい旅情を感じさせる作品が印象深かった。この駅は私も幾度か利用していてその叙情性が好きなだけにとても共感できた。
 



写真1 中井精也写真展の模様


写真2 展示されていた作品の1つ。新神戸駅とある。


写真3 展示されていた作品の1つ。パリ北駅とある。

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