2013/12/18

白堊芸術祭

 東京・神田神保町の文房堂ギャラリーで開かれている。
 これは私の高校時代の同窓会会員による展覧会で、白堊とは、母校の校舎が創立以来4代続けていずれも真っ白だったために同窓会名もそうなった。
 出品されているのは、絵画や陶芸、木彫、書、写真、グラフィックデザイン、レリーフなどと多彩。
 出展は、その道のプロであるか、素人の趣味であるかは問わず、原則として同窓生であれば誰でも参加できる。
 年1回毎年開催されて今年が6回目。今年は59人の作品約100点が集まった。
 いずれもすばらしい作品が多くて、すでに著名なアーティストのみならず、かえって一般人の作品に力作が多くて感心した。
 とくに、毎年鑑賞していると、作風の軌跡もわかって面白いし、なかでも、一般人の場合には、年々技量の向上が見られるのも楽しいところ。中には玄人はだしのものもあって驚嘆するほど。
 面白かったのは工藤結花里さんのスクラッチと呼ばれる作品。どのようにして制作されたものかその手法がつまびらかではないのだが、おそらく金属板かアクリル板かその表面に黒いインクあるいはフィルムを固く蒸着した基板の上から刃先の鋭いもので削り取っていったもののようだ。削り取るということでスクラッチと呼ぶのだろうが、ある種銅版画にもイメージは似ている。
 猫やペンギン、アザラシと動物を描いたものが3点出品されていたが、いずれも超を付けたいほどの精密さで、また動物の顔がいきいきと愛くるしいのだった。
 感心したのは千葉祐治さんの鎌倉彫。確か第1回から毎回参加していたと思うが、今年のものなどサラリーマンの趣味とは思えないほどのできばえだった。
 今年は2点出品していたが、そのうち「連鎖」と題がついている飾箱は、造型の面白さといい、彫りのきめ細かさといい、そして何よりも表面の美しさは、もはや鎌倉彫の素朴さを通り越した超絶技巧に思われた。
 会場には、同窓生たちが次々と訪れていてまるで格好のサロンともなっていた。


写真1 白堊芸術祭の模様


写真2 多くの同窓生が会場に足を運んでいた


写真3 出展作品の一つ三浦千波「風景」(油彩)

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