2013/12/16

特殊材料溶接研究委員会60周年

 特殊材料溶接研究委員会の創立60周年記念式典が13日、東京・千代田区の如水会館で盛大に開催された。
 通称特材委は、日溶協(日本溶接協会)の特別委員会の一つで、1953年(昭和28年)の設立。初代委員長には日溶協の初代会長を歴任した岡田実先生(元大阪大学総長)が就任された。
 岡田先生が日溶協の委員会の委員長を自ら務められたのはこの委員会が唯一であったと思われるが、それほどに岡田先生は特殊材料溶接について重要視されその普及と向上に熱意を持っていたのでもあろう。
 この委員会では、初め、ステンレス鋼を中心とする特殊鋼の溶接を手がけられ、その後、スーパーアロイなどへと研究分野を拡大され今日に至っている。
 特殊材料はいずれも難溶接の代表例みたいなもので、しかも先進工業国にとっては極めて必須の重要な技術。わが国が世界トップの工業国へと発展する過程で同委員会の果たしてきた役割は大きい。特に近年では材料の多様化に伴い異種材料を組み合わせて使用する例が増えていて、ますます溶接技術の高度化が求められてきており、同委員会の存在感が高まってきている。
 この日の式典では、冒頭、西本和俊委員長(大阪大学名誉教授)が「当委員会としては特殊材料溶接に関する研究開発はもとより、技術の伝承と人材の育成を肝要と心得、全国各地で講習会を実施してきているが、その回数は最近19年間で33回に上り、受講者数は実に2155人に達している」と活発な活動を振り返っていた。
 次に、宮田隆司日溶協会長(元名古屋大学副総長)、南二三吉日溶協化学機械溶接研究委員会委員長(大阪大学教授)から祝辞が述べられ、続いて私にも祝辞の機会が与えられた。
 実は、特材委と当社とは関係が深くて、これまでに同委員会の著作になる『ステンレス鋼溶接トラブル事例集』(2003年刊)と『スーパーアロイの溶接』(2010年刊)の2冊を上梓させていただいている。
 執筆に際して同委員会は妥協を許さぬ厳格さだったし、我々も編集者として最高の内容を追求したのだったし、このため、時には執筆者と編集者との間で激しい応酬もあったのだが、その結果、まれに見る好著ができあがったし、いずれも極めて専門性の高い書籍ながら着実に版を重ねるロングセラーとなっている。
 いわば編集者としてはまれに見る達成感の高い仕事だったのだが、私の祝辞ではそのようなことを申し述べさせていただいたのだった。



写真1 特殊材料溶接研究委員会60周年記念式典の模様


写真2 交歓会で歓談する列席者。写真中央西本委員長、左に宮田会長、南委員長らの面々

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