2013/11/25

ボストン交響楽団

 ボストン滞在中の一夜、ボストン交響楽団(BSO)の演奏を楽しんだ。
 BSOは、日本でもよく知られた世界的なオーケストラだし、この演奏会は楽しみにしていて、チケットはあらかじめ日本で手配していた。
 日本でもなじみ深いというのは、その実力もそうだろうが、私の場合、やはりこのBSOで長年にわたってタクトを振るった小澤征爾さんの存在によるところが大きい。
 会場はBSOの拠点、シンフォニーホール。なかなか立派なホールで、伝統ある格式が感じられる。やや縦長で、こういうホールをシューボックス(靴箱)型と呼ぶらしいが、私にはウィーンの楽友協会ホールに似ているように感じられた。2階と3階にバルコニー席があるのも、歴史をうかがわせる。
 ロビーには、歴代の主な指揮者や演奏家たちの写真額が掲示してあったが、この一つに小澤さんのものがあり、それによると、小澤征爾は1973年から2012年まで音楽監督を歴任、ボストン市民に愛されたとあった。在任期間はBSOの歴史で最も長いものであると紹介されていて、現在は桂冠音楽監督として遇されているらしい。
 さて、演奏は指揮レオニダス・カヴァコス。最初の演目はモーツアルトのヴァイオリンコンチェルト第1番。バイオリニストが舞台に出てきてそのまま演奏が始まったのには驚いた。カヴァコスは演奏者と指揮者を兼ねていたのである。
 音楽ファンなら周知のことだろうが、アンサンブルのような小編成の場合はともかく、協奏曲では珍しいことではないかと思われた。なお、蛇足だが、会場でもらったカタログには、彼が使用しているヴァイオリンはストラディヴァリウスだということである。もっとも、蛇足だがとはいうものの、わざわざBSOのカタログに記述するほどだからやはり希少なのであろう。
 ずぶの素人が感想を述べるのもおこがましいのだが、演奏はしなやかで、曲は繊細で変化に富んでおり、いかにもモーツアルトらしいように感じられた。
 2曲目はプロコフィエフの交響曲第1番。ホルンか何かだと思うが、プフォ、と音が出ただけの妙な出だしで、とっさに私には失敗したのかと判断したほどだったが、もちろん何事もなかったように次々と音が重なり合っていったのだった。全般に律動的というのだろうか、演奏はテンポもよく、曲は威勢もよかった。
 ここで休憩。カフェで談笑している人たちも多い。タキシードを着用したりきちっと正装している人もいたり、大方はジャケットにネクタイを締めている。私は幸いネクタイをしていったが、ノーネクタイは旅行者に多かったように見受けられた。
 再開。3曲目はシューマンの交響曲第2番。このあたりまで来たら睡魔が襲ってきた。この頃では演奏会の途中でうとうとすることもなくなっていたのだが、この日は、何しろボストン到着のその日。12時間も飛行機に乗って、時差は14時間もあるし、もっといけなかったのは演奏会は午後8時から。そこで夕食を先に済ませていたので、ちょうど心地よくなってしまったのだった。
 そういうことで、大変申し訳ないことだったが、3曲目についてはほとんど印象に残ってない。

 


写真1 シンフォニーホール内全景。写真は演奏開始直前のもの。


写真2 ロビーに掲示されていた小澤征爾さんの写真額。おそらく桂冠音楽監督としてのものであろう、掲示されている中で額が最も大きいものの一つで、扱いも別格だった。(写真は光の反射を避けるためわざと斜めから撮影した)


写真3 演奏会がはねた午後10時頃のホール外観。

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