2013/11/14
このたびのソウル出張中には、ソウルの地下鉄には何度か乗った。そうは言っても今回はたかだか3号線を中心に1号線と2号線に乗った程度だが、ソウルはたびたび訪れていてその都度地下鉄は利用しているし、それで感じたこと、思ったこと。
今回利用して驚いたこと。その一つはますます地下鉄路線網が発達したということ。地下鉄路線図で数えてみたら18路線にも上る。東京が東京メトロと都営地下鉄を合わせて13路線だから、総営業距離数はわからないが、路線数だけなら東京よりもだいぶ密度が高い。なお、ソウルの地下鉄はソウルメトロはじめおもに二つの鉄道会社が運営しているらしい。
ソウルは3年ぶりだが、その当時にもらっていた地下鉄路線図では13路線となっていたから、そうなるとこの数年で一挙に路線網が拡充したもののようだ。
さて、実際に地下鉄に乗ってみよう。東京の地下鉄と変わりはないから戸惑うこともほとんどない。
地下鉄の乗り口は、構造が世界中ほとんど一緒だからすぐに見つかる。それに大きな表示が出ているし。地下に降りると、路線図を掲示した自動券売機がある。このマシーンは日本語、英語、中国語の表記もあるからまごつくこともない。
ただ、東京のように乗車券という形式ではなく、すべてがカード形式である。カードにはチャージして繰り返し使用するT‐マネーと、1回用交通カードの2種類がある。ただし、1回用でも500ウォン(約50円)のデポジットがとられる。なお、これは下車駅で返金してくれる。運賃はT‐マネーの方が若干安いし、何度も購入する手間がいらないから便利だが、いずれにしても初乗りが1回用で1、150ウォン(T‐マネーでは1、050ウォン)だからとても安い。
改札口はすべて自動改札で、カードをタッチして通る仕組み。出るときも同様。改札階とホームの連絡にはエスカレータが設置されている駅が大半である。
ホームにはホームドアが設置されている。これはこのたび利用したすべての駅でこうなっていた。また、ホームはとてもきれいだし、車内も同様。
ホームには行き先などを表示したデジタルサイン表示があり、視認性もよくとても便利。
ホームでは整列乗車が行われていて、整然と乗車している。このあたりは東京と同じで、我先にと乗車口に乱れて殺到する北京や上海あたりとはだいぶ違う。
電車に乗り込むと座席はロングシートで、3人+7人+7人+7人+3人のシート配置。これも東京の電車と同じ。ただし、車両の幅は軌道が標準軌だから東京よりもだいぶ広くて余裕がある。
車内はほどよく混んでいる。3回空席のない場面に出くわしたが、その3回すべてで席を譲ってもらった。1度は若い男性で、後の2回は中年の男性だった。彼らは私の姿を見たら躊躇することなく間髪を入れずに起ち上がって席を譲ってくれた。遠慮して断ったのだが結局好意に甘えた。これは私が外国人だからということでもないようで、あちこちでお年寄りに席を譲っている場面を目撃することができた。今の日本では滅多に見られない風景である。
また、車両の両端3人掛けの座席は優先席で、ここには空いているときにでも若い人たちは座らないようで、いわんやお年寄りが来たのに知らんぷりするというような場面は見かけなかった。とにかく年配の人を大事にする習慣は気持ちがいいし、この点では韓国はうらやましい。
車内では韓国語と英語のアナウンスがあるし、車両にはデジタル表示が徹底しているから下車駅で心配することも少ない。
席に着いて向かいの7人掛けの席を見ていたら、たまたま7人全員が女性で、しかもその全員がスマートフォンを手にしていた。こういうことでは韓国は日本の先を行っている様子がはっきりとわかった。
また、混んだ朝夕の通勤時ではなく、日中の時間帯だっただからだろうが、本を読んでいる人は少なく、男性ではスーツ姿も少なく、女性ではスカート姿が少なかった。
写真1 ソウル地下鉄のホームの様子。
写真2 車内の様子。
写真3 1回用交通カード
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)