2013/11/12

九州溶接マイスターアート作品展

 日本溶接協会九州地区溶接技術検定委員会九州検定試験場の新築竣工を記念して募集した九州溶接マイスターたちによるアート作品展と入賞者表彰式が8日、リーガロイヤルホテル小倉で開催された竣工記念式典席上行われた。
 このたびの作品展に応募したのは19人のマイスターたちで、アート作品ということで、溶接性のみならず独創性や芸術性なども加えて厳密に審査され、入選が決定されている。
 席上、まず、入選者に対する表彰が行われた後、それまで屏風で覆われていた作品が一斉に参列者に公開されると、会場では見事なできばえに感嘆と賞賛の声が上がっていた。
 私も審査委員の一人としてすでに審査会の席上すべての作品にはじっくりと接してはいたのだが、改めて入選作品に向き合うとそのすばらしさに感激したし、溶接マイスターたちの作品ということで、卓越した技量を持つものたちのみが可能な超絶技巧の溶接を駆使した作品に感嘆もしたのだった。
 入選作品のうち、最優秀賞に輝いたのは「鋭い眼光の王鷲」の工藤純二氏(日鐵住金テックスエンジ、大分県)で、西尾一政検定委員会委員長から賞状と記念品が授与された。また、次席にあたる産報出版社長賞には「赤富士」の寺田茂喜氏(田中鉄工所、佐賀県)が輝いた。
 最優秀賞を受賞した工藤純二さんの「王鷲」は、板厚100ミリのステンレス鋼をまずガウジングで掘りながら造型をし、表面はインコネルで溶接して仕上げたもの。鷲の翼の色具合を出すためにインコネルを採用し、その溶接焼けを利用して表現したといい、溶接の匠のみが表現できる超絶技巧となっており、工藤さんは「溶接量が多かったが、約2カ月で仕上げることができた」と喜びを語っていた。
 また、産報出版社長賞を受賞した寺田茂喜さんの「赤富士」は金属の表面を漆で仕上げるという独創性があり、ステンレス鋼をまず酸洗いし、ショットのままの素地を活かしながら漆を施していったもの。寺田さんは漆を塗ってはサンドをかけるという手法を何度も何度も繰り返し繰り返し行ったといい、「漆は金属にも十分なじむことがわかったし、制作には長い期間がかかったが楽しんでできた」と目を輝かしていた。


写真1 九州溶接マイスターアート作品展の模様


写真2 最優秀賞作品の「王鷲」を手に喜びの工藤純二さん


写真3 金属に漆を施すという独創的な超絶技巧を発揮した「赤富士」の寺田茂喜さん

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