2013/10/28

メタリコン

 先週末は木曜に大阪へ、その足で金曜は京都へ出張だった。
 25日、京都は前日来の雨が上がらず、しかも篠突くような雨で、京都を訪れればいつでもわずかな時間でも街をぶらぶらするのが好きな私でもその気にさせないほどで、喫茶店で本を読みながら時間をつぶした。
 午後、用事が終わって外に出たら雨はいつしか上がっていて、そんなことで持参していた傘を帰途のタクシーに置き忘れてしまった。すぐに気がついてタクシー会社に連絡を取ったのだが残念ながら見つからなかった。誕生祝いに家内からもらった大事なもので長年愛用していたものだった。
 京都では、シンコーメタリコンという溶射企業の創業80周年記念祝賀会が蹴上のウェスティン都ホテルで行われ招かれて出席した。
 1933年に京都で創業されたといい、当初、メタリコン工作研究所と称していたようで、わが国溶射企業の嚆矢だった。以来、溶射一筋の歩みだったようで、今日ではわが国最大規模の溶射ジョブショップとして溶射業界の発展を牽引している。とくに売上高の5%ほどを研究開発投資していうほどの技術指向の強い会社で、挨拶の中で立石豊社長は「一歩先を進み、創意工夫を重ねて溶射業界の未来を担い、お客様に感動を与える企業となりたい」と述べていた。
 溶射は、1909年にスイスからわが国に導入された技術で、100年を超す歴史を有する。揺籃期においては、溶射をメタリコンと呼ぶ人が多く、このためこの会社も社名にメタリコンを取り入れたものであろう。
 メタリコンあるいは溶射とは、おもに金属の表面改質技術で、様々な溶射材料を組み合わせることによって高機能化や高強度化などと母材に種々の機能を付加し向上させることができ、とくに先進工業において極めて重要な技術でる。
 用途としては、耐熱性で航空機エンジン、耐食性で化学プラント、肉盛として製鉄機械など各種機械、防錆として橋梁や港湾設備などが古くからの知られたものだが、近年、金属材料に限らずセラミックスなど材料の多様化が進んだ結果応用範囲が著しく拡大しているのが特徴で、これに対応してプロセスの開発も顕著で、近年ではプラズマやレーザに加えHVOFなどと各種工法が次々と開発されている。こうしたところから溶射は「古くて新しい技術」などと呼ばれているほどだ。
 この日の祝賀会には500人も出席する盛大ぶりで、また、いかにも京都らしく芸妓・舞妓の祝舞があったりして華やかなものだった。


祝賀会の模様

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