2013/10/23

ミニ新幹線

 先日の山形や秋田への出張では、それぞれ山形新幹線と秋田新幹線を利用した。両新幹線ともに東海道新幹線や東北新幹線のようなフル規格の新幹線ではなく、いわゆるミニ新幹線である。
 ミニ新幹線とは、在来線の軌道だけを狭軌から新幹線用の標準軌に改軌して運行している鉄道のことで、新幹線路線と直通運転ができるようにした方式。新幹線と在来線が直通しているところから新在直通運転と呼ばれている。
 これならフルスペックの新幹線用線路をまったく新たに建設する必要がないわけで、わが国では山形新幹線と秋田新幹線がこのミニ新幹線方式である。両新幹線ともに東北新幹線との直通運転を行っていて、山形新幹線は福島で、秋田新幹線は盛岡でそれぞれ分岐している。なお、厳密に言えば山形新幹線も秋田新幹線もこれはあくまでも通称であって、正確には新幹線ではなくて、山形新幹線は奥羽本線、秋田新幹線は田沢湖線+奥羽本線なのである。なお、福島からの普通列車の運行については山形線との愛称がつけられている。なお、くどいようだが、山形線の線路も当然のことながら新幹線と同じ標準軌である。
 それはさておき、まずは山形新幹線。9月27日金曜日、東京駅8時08分発つばさ127号山形行き。
 東北新幹線やまびこ127号仙台行きに併結されていて、全17両のうち山形行きは先頭から7両分。
 福島8時47分着。二つの編成が切り離されてつばさ号は8時49分の発車。福島駅のホームは高架だが、発車してすぐに在来線へと下っていく。
 なお、あまり知られていないことかもしれないが、東日本大震災の後、3月31日に運転再開した際、福島始発のつばさ号はしばらくの間在来線ホームからの発着となっていた。
 ほどなくして列車は登攀にかかる。吾妻山の北麓に位置する板谷峠への登りで、後方を振り向けば福島の街が眼下に広がっている。かつて、在来線の普通列車ではここから赤岩、板谷、峠、大沢と4駅連続してスイッチバックとなっており、鉄道ファンの人気を集めていた。途中の駅では名物峠の力餅なども売られていて旅情が増していた。
 列車は結構なスピードを出していて、通過する駅の駅名標も読み取れないほど。やはり新幹線の馬力である。できることならここは普通列車で向かいところだったのだが、列車本数があまりにも少なくてかなわなかった。
 なお、つばさ号の車両は新在直通運転を行うように設計された新幹線直行特急と呼ばれるもので、ミニ新幹線用だから車体はやや小さい。このためシート配置も2+2列。ただ、フル規格の2+3列配置よりもゆったり感じられる。
 大沢を過ぎると米沢盆地へと下っていく。沿線では稲刈りの最中だった。
 米沢を経て山形13時44分定刻の到着。
 山形駅の新幹線ホームは1番2番線で、ホームの端に新幹線用の改札が設けられている。隣の3番4番が在来線の奥羽本線のホームだが、こちらも標準軌の線路。
 また、この駅は仙山線や左沢線の始発駅でもあるのだが、そちらの線路は在来線用の狭軌となっていて、標準軌と狭軌が混在している。二つの線路を間近で見ると、狭軌のゲージ幅がいかにも狭いことに気づく。
山形新幹線はこの先新庄まで延伸されている。
 一方、秋田新幹線である。10月1日東京7時32分発秋田新幹線こまち23号秋田行き。東北新幹線新青森行きのはやて23号との併結で、全16両のうちこまち号は先頭から6両。使用車両は、はやて号がE5系はやぶさ型車両で、こまち号はE6系。とくにE6系は今年の春にスーパーこまちの運行に併せ投入された最新鋭の新型車両で、ピンク色のストライブがまぶしいほどに美しい。
 盛岡着9時59分。ここでこまち号は分岐。10時02分、発車してすぐに在来線の線路に降りていく。高架と違って景色が低くなった。
 しばらく山間部を走る。走行スピードは全般に山形新幹線よりも速いようだ。ただ、折角の高速車両なのだが、徐行区間が多いし、単線のための行き違い停車も頻繁で、のろのろするとこが少なくない。また、その行き違いのために待っている列車が在来線の普通列車だったりもする。新幹線が普通列車を待つという奇妙な構図である。
 岩手秋田県境を仙岩トンネルで越すと横手盆地。角館を経て大曲11時05分着。奥羽本線との合流で、ここで列車はスイッチバックして進行方向が逆転した。新幹線でスイッチバックは全国でもここだけである。線路の配置上こうなっている。なお、在来線の呼称としては盛岡‐大曲間は田沢湖線である。
 頻繁に列車が発する警笛が鳴る。踏切が路面交差しているためで、これも新幹線では珍しい。
 大曲を出ると、新幹線と奥羽本線の線路が並行して走っているのが見て取れた。もちろん奥羽本線は狭軌である。また、峰吉川付近では3線が平行している場面もあった。
 秋田定刻11時39分着のところ3分ほど遅れて到着した。
 改札口を出ると、ちょうどこの日から始まった秋田ディスティネーションキャンペーンだとかで、大変な歓迎ぶりだった。

 


写真1 新幹線用の標準軌と在来線用の狭軌の二つのゲージが混在する山形駅構内。


写真2 秋田駅に到着した秋田新幹線E6系新型車両。


写真3 新幹線(奥)と在来線(手前)の車両が隣同士に停車中の秋田駅構内。

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