2013/10/22

美術館紀行:秋田県立美術館

 秋田駅を背に広小路を秋田城趾の堀に沿って進むと10分ほどで左側に真新しいしゃれた建物が見えてくる。9月28日に本オープンしたばかりの秋田県立美術館である。安藤忠雄の設計。旧秋田県立美術館とは堀を隔てて指呼の間にある。
 美術館では開館記念特別展として「壁画<秋田の行事>からのメッセージ」展が開催されていた。
 館内に入って2階のギャラリーへらせん階段を登ると、いきなりとてつもなく大きな壁画が目に飛び込んでくる。
 この壁画は藤田嗣治が 1937年に秋田の資産家平野政吉の依頼で描いたもので、平野は藤田と交友があったのだという。
 とにかく大きい。タテが3.65メートル、ヨコが実に20.5メートルもある。美術館ではこの壁画を陳列するために壁画ギャラリーと呼ぶ専用の展示室を設けているほど。
 壁画には、右から左へ秋祭り、七夕祭り、竿灯祭りなどと移り冬の風景へと進む。雪室の背後には石油掘削のものであろう櫓が遠望できる。雄大な秋田の風景の移り変わりである。
 この壁画ギャラリーは吹き抜けになっていて、3階のバルコニーからは壁画を見下ろすことができるようになっている。違った位置から壁画を見ることによって壁画の大画面が一望にとらえられるようになっていて、壁画のダイナミックさが一層際立って見える。
 また、この展覧会では、藤田の作品が数多く陳列されていて、<眠れる女>などと藤田の画業をうかがうことができた。しかも、その大半が平野政吉コレクションだというからすごいことだった。
 なお、2階のラウンジからは水庭とその先に千秋公園が望めるようになっていて、安藤の設計の妙であろう、幅広いガラス越しにまるで一幅の壁画を見るようなすばらしさがあった。
 ところで、この美術館を訪れたのは10月1日で開館からわずか3日目のこと。たまたま秋田に出張があって実現したもので大変幸運だった。

 


写真1 秋田県立美術館外観(広小路側から)


写真2 壁画<秋田の行事>の大画面


写真3 水庭とその先に千秋公園が浮かぶラウンジからのすばらしい眺望。

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