2013/10/15

第59回全国溶接コンクール

 今年も盛大だった。
 59回目を迎えた全国溶接コンクール(全国溶接技術競技会=日本溶接協会主催、産報出版協賛)のことで、今年は10月12日土曜13日日曜と2日間にわたり愛知県で行われた。
 全国コンクールは、全国47都道府県の代表が溶接の技量を競うもので全国の溶接士の頂点である実力日本一を目指す。
 大会は、1日目の12日には名古屋市のウエスティンキャッスルホテルを会場に開会式が行われた。
 席上、大村愛知県知事や河村名古屋市長なども出席して選手たちに歓迎や激励の言葉を述べていたが、とくに河村市長はかつて溶接がキーテクノロジーである会社をやっていたことがあると紹介して会場を沸かせていた。
 選手たちは一人ひとり紹介されると晴れがましくも緊張の面持ちだった。出場したのは予選にあたる全国の都道府県大会を勝ち抜いてきた精鋭ばかり112人で、若手から中堅、ベテランまで様々。
 競技は大会2日目の13日、東海市の新日鉄住金名古屋製鉄所で行われた。
 競技種目は、被覆アーク溶接の部と炭酸ガスアーク溶接の部の2部門あり、選手は同時に両種目に出場することはできず、各部門に56人ずつ別れて競技を行った。
 被覆アーク溶接とは、古くからの溶接方法で、通称手溶接とも呼ばれ、溶接棒を使って行うマニュアルな溶接方法。また、炭酸ガスアーク溶接は、一般に半自動溶接とも呼ばれ、溶接ワイヤを用いてセミオートマティックに溶接を行う方法。半自動溶接は高能率な溶接方法だが、手溶接には簡便性という特徴がある。ただ、技量の差は手溶接ほどつきやすいとも言える。
 両種目とも競技課題には板厚や溶接姿勢などが違う二つの課題があり、一つは薄板の立向溶接で、二つ目が中板の横向溶接。二つはまったく性質の違う課題で、溶接にはそれぞれに合った技量が必要となり、二つの課題で好成績を収めなければ上位は望めない。
 競技は会場の都合上20人ずつ6班に分かれて進行していて、この競技の模様を間近で見ていたが、選手はいずれも県大会を勝ち抜いてきた腕自慢ばかりなのだが、緊張感はものすごく高いようで、日頃の技量が発揮できたかどうかが成績の分かれ目のようだった。
 競技終了後作品が展示されたが、これが人の手による溶接かと驚嘆されるようなすばらしいものがある一方で、明らかに失敗とみっれるようなものもあって、競技の難しさを表していた。
 作品の審査は、外観試験、X線透過試験、曲げ試験などと溶接部の健全性を試験する方法を駆使して総合的に行われることとなっていて、例年ならば800点満点でわずか数点の差で上位の順位が争われる接戦となる。


 


写真1 選手や関係者が勢揃いして盛大に挙行された開会式。


写真2 競技場の模様。写真は半自動溶接の部の様子。


写真3 課題に挑戦する選手。溶接のプロたちも真剣な取り組み。

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