2013/09/26

ドイツの鉄道

 このたびのドイツ出張ではたびたび鉄道を利用した。乗ったのはトラムを除きすべてDB(ドイッチェ・バーン)と呼ばれるドイツ国鉄である。
 まず、フランクフルト空港駅からデュッセルドルフ中央駅まで。成田から空路フランクフルトに降り立つとそのまま鉄道に乗り継ぐことができるようになっておりとても便利。乗り継ぎ必要計算時間約45分。
 しかも、ドイツ鉄道レール&フライサービスといって、日本で日本航空のフランクフルト便を予約すると、同時にドイツ鉄道への乗り継ぎ乗車券も予約できるようになっていて、ドイツ国内6000以上もの鉄道駅と結んでおり、しかも追加料金無し。つまり、鉄道乗車券は特急券も含め無料ということ。帰途も同様で、このたびの場合ミュンヘン中央駅‐フランクフルト空港駅間はレール&フライサービスを利用した。予約した鉄道乗車券は駅の自動券売機で受領できる。
 9月14日フランクフルト空港駅18時09分発ICE104列車。
 ICE(インター・シティ・エクスプレス)とはおもにドイツ国内都市間を結ぶ特急列車のこと。ほかに特急列車としてはEC(ユーロ・シティ)、IC(インター・シティ)などの種別がある。いずれも日本の新幹線に相当する高速列車である。
 列車は騒音や揺れが少なくとても静か。乗ったのが1等車だったので、1+2列のシート配置でゆったりしており快適。JR東日本のファーストクラス並みのゆったりさだ。
 結構なスピードである。窓外はなだらかな起伏の農地が延々と続いているから変化が少なくてスピード感には欠けるが、日本の新幹線と変わらないように思えたので平均して200キロ台だったのではないか。
 ケルンなどを経て目的地デュッセルドルフ中央駅着が19時38分定刻の到着。所要1時間29分。この間距離225キロだからやはり相当早い。なお、列車は停車駅にはゆったり停車している。各駅とも数分あり、ケルン駅などのように大きな駅では10数分も停車していた。乗降客の便を考慮したせいであろう。
 なお、この列車はバーゼル発アムステルダム行きで、総延長785キロもの長大区間を6時間43分をかけて結んでいる。
 一方、デュッセルドルフ滞在中は、デュッセルドルフ中央駅から溶接フェアが開催されているエッセン中央駅との間を毎日往復していた。距離42キロ。RB(レジオナル・バーン)と呼称されるローカル列車で、約30分かかった。また、時々遅れた。
 なお、こうしたローカル線の列車には2階建てが多く、朝夕の時間帯は座れないほどでもないがそれなりに混んでいる。自転車の持ち込みも可能である。RBにも1等と2等が連結されている。
 デュッセルドルフ中央駅はなかなか大きな駅で、ホームが20番線までもある。ホームは2階で、1階がコンコースとなっていて、両側にはカフェや種々のショップが軒を連ねている。
 ヨーロッパの駅の常で、駅に改札口はなく、利用者は自由にホームに出入りができる。普通列車の場合、階段登り口に切符の使用済み印を押す検札機が設置してあり、自分で打刻する仕組み。下車するときも改札はないから切符を持たなくても乗降できるが、不正が見つかると高額の罰金が科せられるらしい。もっとも、一度も車内検札は来なかったが。
 なお、切符は自動券売機で購入することになるが、これも初めは戸惑うが慣れるととても使い勝手はよく便利。また、窓口でも購入できるが、この場合手数料が4ユーロかかる。サービスを受けるならそれなりの対価を払えということだろう。
 デュッセルドルフからの帰途はミュンヘンに立ち寄った。9月19日デュッセルドルフ中央駅9時13分発ICE621列車。1等2両、2等4両の6両編成。
 私の切符は1等車で、6人掛けのコンパートメントだった。このコンパートメントというのもいかにもヨーロッパらしいところでなかなか風情がある。ただ、個室だから相客が大事で、幸いフランクフルトから乗り込んできた1組の中年の夫婦連れはとても物静かで、しかも親切。チョコレートをくれてよこしたり、窓外を眺めていると、川のように見えたところではわざわざマイン湖だと教えてくれたり、下車する際には重い私のトランクを網棚から下ろしてくれたりもした。
 車窓に流れる風景に大きな変化は少ない。なだらかな丘陵に広がる農地は、すでに秋の装いで、収穫も終わってしまっている。下草もきれいに整えられるように刈り込まれているからきれいだ。また、時折表れる集落も赤い屋根が並んで美しい風景を見せている。集落には決まって教会があるのもヨーロッパの情景だ。
 列車のデッキには列車名やら詳細な運行情報を示したデジタルパネルがあって、そこに列車の走行速度も表示されていた。それを10分ばかり見ていたら、平均が時速270キロで、最高速度は289キロを記録していた。
 そうこうしてミュンヘン中央駅14時12分着。距離にして610キロ、4時間59分の旅である。
 ミュンヘン中央駅は、ヨーロッパの他の主要都市同様行き止まりの終着駅で、大きな一つ屋根の下に頭端式のホームが26本もずらり並んでいて壮観である。なお、この駅にはこのほかに10本のホームもあって、ホーム番線は36番までを数えていた。
 また、ミュンヘン中央駅で列車の運行状況を見ていたが、たくさんのホームに列車が頻繁に出入りしている。運転密度が高そうだ。行き先も国際的で、パリ、チューリッヒ、ベネチア、ボローニャ、プラハなどとあって、とても旅情がかき立てられた。
 ドイツ国鉄の鉄道密度は世界のトップクラスで、日本より少し狭い国土に総延長が36000キロにも及ぶ。日本のJRの総延長が約20000キロ、すべての私鉄も含めても28000キロほどだから、ドイツのその充実ぶりがわかる。


写真1 ローカル線のRBには2階建ても多く朝夕は混んでいる。


写真2 デュッセルドルフ中央駅15番線ホームに入線中のICE621列車ミュンヘン中央駅行き。


写真3 大屋根の下に26本もの頭端式ホームがずらり並んで壮観のミュンヘン中央駅。

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