2013/08/02

岬めぐり:雄冬岬(北海道)

 やっと踏破した。雄冬岬。岬好きとしては、北海道の地図を広げて一度は訪ねたいものだと念願していて長年の夢だった岬。昨年の2月にも挑戦していて、その折りには増毛まで来ていたのに猛吹雪に阻まれ断念していた。
 雄冬岬は、地図で見ると、北海道の西に位置し日本海に面している。稚内からなだらかに降りてきた海岸線はこの雄冬岬で大きな瘤となって日本海に突き出ている。彼方には石狩湾を挟んで積丹半島が位置する。
 雄冬岬へは留萌からレンタカーで向かった。7月19日、幸い晴れて風もなく好天である。
 国道231号線通称オロロンラインはひたすら海岸線を走っており、途中、増毛の街をバイパスして抜けたあたりからトンネルの連続なった。修復工事中のトンネルが多く、このため至るところで片側1車線の交互通行となりたびたび足止めされる。
 道筋は断崖絶壁ばかりで、おそらくトンネルを掘る以外に道路を作ることができなかったのだろう。
 この雄冬岬周辺は長らく陸の孤島と呼ばれてきたところで、国道が全通したのが1981年、その後も増毛‐雄冬間は冬季の通行止めが続き、国道231号線が通年供用されたのはやっと1992年のことだった。
 このため、冬季には増毛から雄冬に至るには海路便船によるほかなかった。この航路は1992年まで運行されていたということである。そういうこともあってのことだろう、増毛の駅前には今でも旅館が多かったが、それは風がやみ船の出るのを待つ人々のためのものだっただろうし、その名残なのであろう、映画『駅ステーション』では駅前に「風待食堂」が設定されていたようなことだった。
 実際、私も昨年の2月にこの岬を訪れようと挑戦した折りには、留萌から増毛まで猛吹雪のため鉄道が不通となりタクシーで向かったのだが、わずか10メートル先も見えないようなことだったから、さらに増毛から雄冬を目指すことは危険なことだったのだ。
 さて、増毛の街から約15分、そろそろ岬かと思っていた矢先、雄冬岬展望台という案内板が国道筋にあってまずはそこを訪ねた。観光用に整備されたもので標高百数十メートルはあろうかと思われた。さらに駐車場から100段ほどの階段を登ると円形の展望台があった。
 ここからの眺めはなかなか絶景である。眼前に日本海が広がり、右手には増毛方面に向けて海岸線が延びている。左手には岬が断崖絶壁となって日本海に落ちているのが目前にできる。
 灯台のように岬の最先端に建てられたものではないからぐるり遮るもののない眺めとはいかないが、それだけに岬の様相がわかってこれはこれで面白い。
 どうやらこの雄冬岬は、暑寒別岳1491メートルを中心とする増毛山地が断崖絶壁となって日本海に落ち込んだもののようで、山肌があらわになっていて柱状節理となっているのがわかる。また、展望台の足元も岩がごろごろしているし、岬全体は海食崖によって形成されたものであろうか。
 なお、車で走っている限りではトンネルの連続でどこが岬の先端かピンポイントには判然とはしない。それで、カーナビで見当をつけながら岬の前後を2往復した。
 それで、ここが雄冬岬の先端であろうと見当をつけたのが、浜益側のタンパケ橋付近から望めた突端がそれであろうと思われた。
 また、この岬には灯台はなくて、その理由はかつては道すらもなく工事ができなかったからであろうと思われた。そのためか、増毛側には増毛駅のそばの高台にある増毛灯台と、浜益側ではその手前の高台に灯台があった。灯台の建設すら拒む断崖絶壁だったのである。

 


写真1 日本海を見下ろす雄冬岬展望台の後背地からの眺望。さぞかし夕日が美しかろうと思われた。


写真2 国道231号線通称オロロンラインの増毛側から遠望した岬。


写真3 ここが雄冬岬の先端だろうと思われる。浜益側のタンパケ橋付近から。

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