2013/07/25

根室本線、室蘭本線と富良野線

 千歳線と石勝線の開通によって北海道鉄道網における地位に変化が生じた函館本線、根室本線と室蘭本線。
 このうち、根室本線は函館本線の滝川と根室を結ぶ長大路線だが、かつては札幌と帯広から道東を結ぶ唯一の重要路線だった。
 しかし、地図で見ると一目瞭然だが、滝川から新得までの間はいかにも大回り区間である。これは途中の狩勝峠越えを嫌ったためだが、その狩勝峠の大部分をトンネルで抜ける石勝線の開通によって道央と道東は短絡することとなり、くだんの区間はローカル線扱いとなってしまった。
 その滝川‐新得間を乗ってみた。新得側からの乗車だが、7月17日13時05分帯広発滝川行き1両ワンマンのディーゼルカーで、正当に根室本線を乗り通す列車ではある。なお、新得から滝川まで通す特急列車は1本もなく、すべて普通列車である。
 しかし、この狩勝峠越えは普通列車ほど価値が高い。新得は14時14分の出発で、すぐに登坂にかかる。ここはこの日の特急列車で下ってきたばかりだが、新狩勝トンネル‐新得間の絶景を楽しむためにはあえぎながら登る普通列車がいい。
 そしてもう一つの楽しみは、新狩勝トンネルの構造を知ること。長いトンネルで5810メートルもあり、しかも登り坂になっており列車はディーゼル音を響かせながらゆっくりと登っていく。
 そのゆっくりさがあって初めてわかったことは、列車の先頭に立ち暗がりの中で目をこらしていたら、このトンネルの途中で線路が二手に分かれていることが見て取れた。すなわち、左手に直進しながらさらに急勾配を登っていくのが石勝線で、根室本線は右手にカーブをしながら進んでいく。なお、この箇所は上落合という信号場となっている。
 この信号場を過ぎるとすぐにトンネルは出口で、少しして落合14時52分着。新得から一つ目の駅までに40分もかかっているわけで、その難所ぶりがわかる。
 この先の途中、幾寅は映画『鉄道員』で幌舞駅の舞台となったところ。また、山辺に至って左に芦別岳が見えてきた。
 富良野15時46分着。沿線随一の都市で乗客は大半が総入れ替えで、新たに大勢の中国系観光客が大量に乗車してきた。ここに限らず北海道は中国系観光客に人気で、このたびの旅行中も至るところで出くわした。
 富良野からは空知川に並行しながら芦別、赤平などと走り、そうこうして滝川15時54分着。終点である。
 滝川からは函館本線で岩見沢まで進み、宿を取った。翌朝一番の室蘭本線の列車に乗るためだが、さすがにこの町に泊まるのは初めてで、鉄道の要衝ではあっても寂しい町だった。
 7月18日6時02分岩見沢発室蘭本線糸井行き普通列車。岩見沢は室蘭本線の起点で、函館本線の長万部との間を結ぶが、このうち岩見沢‐沼ノ端間は今やまったくのローカル線で、列車本数はわずかに日に7本。そのすべてが普通列車である。
 これも、千歳線の開通によって札幌‐苫小牧間が大幅に短縮されたからで、旭川方面すら札幌経由となってしまった。
 ただ、室蘭本線の主要部分自体は函館本線、千歳線とつないで道南の函館、室蘭方面と札幌を結ぶ大幹線である。
 さて、乗った列車は岩見沢を発車したときに乗っていたのはわずかに3人。途中、変化に乏しい車窓を眺めながら追分で石勝線とクロス。千歳方面からやって来た石勝線列車は右から左へと根室本線を高架でまたいでから追分に入ってきた。
 この前後から高校生の乗車が増えてきた。苫小牧への通学であろう。沼ノ端7時20分。ここに至って列車はやっと満員となった。この先列車は次の苫小牧を経て終点糸井まで向かう。
 一方、富良野から石狩地方に向かう路線としては、富良野‐滝川間の根室本線のほか、富良野と旭川を結ぶ富良野線がある。
 富良野13時03分発旭川行き普通列車。2両のワンマンディーゼルカーだが、根室本線の普通列車と違ってロングシートとクロスシート混在の通勤型車両である。
 富良野を出るとすぐに右手車窓に富良野岳1912メートルと、その左隣奥に十勝岳2022メートルが間近に見えてきた。なかなか個性ある美しい山容で、北海道内において列車から眺望できる美しい山の姿としては函館本線の駒ヶ岳と双璧ではないか。
 列車はしばらくこれらの山々を仰ぎ見ながら進む。このあたりは上川盆地で、広大な畑作模様も美しい。
 畑の色が様々。黄金は小麦であろうし、トウモロコシや里芋などの畑もある。白い花はそばだろうか。畑が一面に同じ色をしていないのはあるいは輪作を行っているためであろうか。輪作とは同じ畑で作付けするものを毎年順番に替えていくことを意味するようだが、いずれにしても北海道は作付面積が大きい。
 そうこうして田んぼも見えてきたなと思ったら旭川だった。14時25分着。旭川に降り立つのは4年ぶり。あの頃工事中だった駅舎が完成して立派なものとなっていた。


写真1 富良野岳(右)と十勝岳とその山麓に広がる北海道の美しい畑作地帯


写真2 北海道の中央に位置し「へそ」と呼ばれる富良野駅


写真3 室蘭本線と千歳線が合流する沼ノ端駅構内

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