2013/07/19

信越本線と大糸線

 このたびの長野出張の帰途は、信越本線と北陸本線を介して大糸線に乗り継ぎ、長野‐直江津‐糸魚川‐松本と回った。
 信越本線は、かつては高崎から碓氷峠を越え長野を経由し直江津に至る大幹線だった。それが長野新幹線の開業に伴い、横川‐軽井沢間の碓氷峠越え区間が廃線となり、軽井沢‐篠ノ井間もしなの鉄道に移管され、ずだずだにされてしまった。
 もはや、かつての信越本線を通しで運行される列車は1本もなくなってしまったのだが、残る区間を乗ってみようというわけ。
 このうち、高崎‐横川間は先日乗ったばかりだし、しなの鉄道区間も、しなの鉄道となってからでも数度は乗っているし、今回は長野から直江津へと信越国境を越えていこうということ。
 7月13日土曜日。曇り。長野8時12分発快速妙高1号直江津行きに乗車。直江津から来た列車の折り返し運転で、7番線からの発車。6両の電車特急型車両で、普通列車なのに妙高号と愛称が付いているのは指定席車両が連結されているため。
 車内は土曜日とあって高校生と登山客の姿がわずかに見えるだけでガラガラ。
 豊野8時27分。ここで飯山線が右に分岐していった。やはり右手に北陸新幹線の立派な高架が見えた。沿線にはりんご畑が広がっていて、早くもりんごには袋がかぶせられている。
 黒姫が近づくと、その少し手前で戸隠山が見え、さらに黒姫山が見えてきた。釜底のようなどっしりとした堂々たる山で、標高2053メートルもあり、そのすぐ麓を走っているから仰ぎ見るほどに高い。
 この黒姫から次の妙高高原の間が長野‐新潟県境で、今度はギザギザにとがった妙高山が見えてきた。山容の異なる山々が次々と見えてきて車窓を楽しませてくれる。
 二本木では、発車するといったんスイッチバックしてから右に本線を取っていった。格別の傾斜もないし、なぜスイッチバックしたのか駅構造だけでは判断しにくいが、貨物用の専用線との関係があって、このようになっているらしい。
 脇野田に至り新幹線の高架が最接近してきた。ここが新幹線としては上越駅(仮称)となるらしい。なお、北陸新幹線の長野から金沢までの延伸は平成26年度末開業予定である。
高田9時32分。古い街並みが車窓からでもうかがえる。かつての春日山城の城下町である。
 そうこうして直江津9時41分着。6番線到着で、長岡方面に向けて停車した。この列車はたまたま直江津止まりだが、信越本線をそのまま長岡まで直通する列車があるためであろう。
 ここで北陸本線に乗り換えるのだが、その発車が1番線から。乗り継ぎ時間がわずか5分しかなくて最後は走った。ここ直江津駅は鉄道の要衝で、大きな駅構内を持つ。北陸本線の起点だし、JR東日本と西日本の境界駅でもある。
 直江津9時46分発富山行き。直江津を出てすぐに海が見えてきた。また、トンネルが多くて出たり入ったりの繰り返し。それも結構長いトンネルばかりで、筒井駅などはホームがトンネルの中にあった。ここは11,353メートルもある頸城トンネルの中間に当たる。この駅で下車したことがないので地上の様子はわからない。
 糸魚川10時26分着。ここもたくさんの側線を持った大きな構内の駅。
 ここでいよいよ楽しみにしていた大糸線に乗り換えるのだが、何としたことか土砂崩れがあって大糸線は不通、代行バスで南小谷まで送るという。ここ数日来の雨がひどかったらしい。
 代行バスは列車と同じ定刻10時43分の発車。ほぼ満席で、それも大半は終点まで乗るらしい。
 バスはほぼ線路と併行して走っているらしく、大糸線の線路が見え隠れしている。同じように並行している姫川が濁流となっていた。バスに同乗していたJR職員の話によると、小滝と平岩間で土砂崩れがあった模様だ。確かに大糸線もこの糸魚川‐南小谷間がもっとも峡谷となっている区間で、土砂崩れの箇所が大きなブルーシートで覆われているのが見えた。
 バスは、途中の駅を乗降客のあるなしにかかわらず丁寧に一駅ずつ拾って走って行ったが、南小谷に到着したのは列車の定刻にわずか3分遅れの11時47分だった。
 大糸線は糸魚川と松本を結ぶ全線105.4キロの路線だが、途中の南小谷で営業管轄がJR西日本から東日本へと変わる。
 南小谷からは通常の運行だった。12時03分発松本行き普通列車。2両の電車。ほぼ満席に近い。大半は旅行者と登山者。
 南小谷からは大糸線のハイライト区間である。右窓に北アルプスの峰々を望みながら走る景観路線。ただ、この日は曇っていて必ずしもくっきりとは見えなかった。頂上付近が雲に覆われているからだが、それでも残雪があるし、北アルプスを間近にしているか思えば感激もある。この路線は全線を通じてのるのは2度目で、部分的には4度目だが、この北アルプスが最も美しく見えるのは早春であるかもしれない。
 途中、細野付近で穂高岳が望めたし、簗場の前後では青木湖など3つの湖が連続しているし、さらに、安曇野の風景が加わり、白馬、信濃大町、穂高などと続く駅名を見ているだけで豊かな気分になってくる。
 そういえば、白馬から20代の娘を連れた母娘が同じ席になった。山口から来たとかで、北アルプスを望む安曇野の風景に感激の様子だった。大半はおしゃべりに興じていたが、母と娘の親子連れもほほえましくてよいものだった。
松本14時20分着。途中不通区間があったものの、これで北信から下越をぐるり一周したこととなった。


写真1 どっしりとした黒姫山。信越本線黒姫駅付近で。


写真2 トンネルの中にホームがある北陸本線筒石駅


写真3 北アルプスを望む大糸線の車窓

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