2013/07/18
先週末は長野へ出張で、少し早く東京を出て久しぶりに篠ノ井線の姨捨駅に降り立ってみた。
7月12日。長野11時18分発快速松本行き。2両の電車、ワンマン運転。篠ノ井で信越本線から篠ノ井線に乗り入れ。ここから急な山越えへとかかる。稲荷山を過ぎたあたりから左窓に善光寺平が見え隠れしてくる。
姨捨が近づくと、列車はスイッチバックして停車した。姨捨駅にはまだ早いなと思って見ていると、いったん本線からずれて左に直進し、バックして本線から待避線に移動して停車した。すると、11時42分頃、右手の方向から名古屋発長野行きの特急ワイドビューしなの5号が猛スピードで停車中の列車の眼前を横切っていった。単線のための待避なのだが、待避場所へスイッチバックしたもののようだ。
少しして再び走り出し、今度は特急が来た方向の本線に向かった。このあたりは急勾配の連続で、しばらくしてまたスイッチバックを行った。今度は姨捨駅に入線するためのもので、まず、本線から左にはずれて直進。すぐにバックして本線を横切って姨捨駅ホームへと入線してゆく。ワンマン運転だから、運転手は窓から身を乗り出すようにして後方を注視している。姨捨定刻11時51分着。
姨捨駅は片側1線のホームが対面している2面2線の構造で、今やスイッチバックのある全国でも珍しい駅。鉄道ファンに人気の駅である。
人気を高めているのはもう一つ、この駅からの見晴らし。日本三大車窓の一つに数えられる絶景で、ここから眺める善光寺平は感嘆に値する。
しかも、私は3カ月前にもここを通ったばかりなのだが、その時は特急列車で通過しただけで、それだと絶景が味わえないのだった。
それは、特急列車は高速で通り過ぎるからという速さのせいばかりではなく、この駅の構造にもよるのである。
つまり、姨捨駅を通過するための本線と、姨捨駅に入線するための線路とは2段構造になっていて、ホームと本線とは3メートルほども落差があり、低い方を走る本線沿いでは木立が邪魔をして善光寺平は時折しか望めないのである。
一段と高いところにある姨捨駅ホーだが、とくに見晴らしのいいのは上り線ホームからで、ここからの善光寺平の眺望は格別。
なお、「平」とは、信州地方独特の呼び方で一般に盆地を意味する。信州には4つの平らがあるとされ、松本平、伊奈平、佐久平そしてこの善光寺平で、山に囲まれた信州にあって肥沃な盆地となっている。
ところで、この姨捨駅における下り線だが、上り線同様にスイッチバックが必要で、本線からそのまま入線してきた列車は、下り線ホームで客扱いを行った後発車すると、いったん後進して本線に戻り、しかる後に前進していく。やはり、姨捨駅は上り下りともに通過はできない構造なのである。
写真1 善光寺平に面した姨捨駅上り線ホーム
写真2 姨捨駅から見た善光寺平の絶景
写真3 姨捨駅の手前でスイッチバックして待避線に入り、本線を進入してきた特急列車の通過を待っている場面
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)