2013/07/16

行き止まりの終着駅:信越本線横川駅

 信越本線横川駅は、ある日から行き止まりの終着駅となってしまった駅である。
 そもそもは、横川は高崎と直江津を結ぶ信越本線上の重要な駅だったもので、66.7‰というJR線でもっとも急勾配となる碓氷峠越えのために、すべての列車はこの駅で補機をつける必要があった。これは上り下りともに同様で、この連結(解結)作業のために列車は長時間横川駅に停車することとなり、この待ち時間を利用して乗客が競うように買い求めたのが弁当「峠の釜めし」である。
 その横川駅が、1997年10月1日の長野新幹線の開業に伴い、高崎からの列車はすべて横川止まりとなってしまったのである。なお、その先、軽井沢まではバス連絡はあるものの線路は途切れていて、さらに軽井沢から先はしなの鉄道に移管され、篠ノ井線との接続駅であるから篠ノ井から再び信越本線として直江津に向かっている。
この横川駅に、先日の伊香保出張の帰途回り道して立ち寄ってみた。
 高崎16時33分発信越本線下り横川行きの普通列車に乗車。4番線からの発車で、渋川から乗ってきた列車が同じホーム2番線(3番線ではない=3番線は同じホーム大宮方を切り込んで設けられている)到着だったので、乗り換え時間はわずか2分しかなかったのだがスムーズだった。4両の電車。
 車両はロングシートで、ちょうど下校時の高校生たちでほぼ満席。
高崎を出ると次の北高崎までが高崎市街地。その後は田畑が増えていき、安中16時45分着。ここまでで大半が下車した。駅の左手、山の斜面に亜鉛の精錬所が見えた。さらに松井田では残った乗客も大部分が降りてしまって終点横川まで乗っていたのはわずかに5人だけだった。
 列車の真正面に山が覆い被さるように迫ってきたと思ったら横川だった。なるほど、あの山を越すのかと思うと往年の難所ぶりがわかるようだった。
 17時06分、1番線への到着で、横川駅にはこのほか島式ホームがあるが、1線しか使われていないようだった。大半の列車は1番線の発着だが、朝の時間帯などは2番線も使用されているようだった。
 ホームの峠側の端に列車止めのコンクリートが打ち込まれていた。
 すでに夕刻だったし、駅の売店はおろか、駅前にある峠の釜めしの製造元おぎのやも 閉店していた。
 横川駅の峠方に碓井鉄道文化村という施設があったが、これもすでに閉まっていた。フェンスの外からのぞいただけだが、車両が数多く展示されていて、中にはかつて補機として活躍したEF63電気機関車も保存されていた。休日などは賑わうのかもしれない。
 なお、横川駅からの線路の一部はこの鉄道文化村まで伸びているようで、あるいはEF63なども動態保存されているのかもしれない。
 なお、17時39分発の列車で折り返したが、乗客はわずか3人だった。
 まるでローカル線の風情だが、往年の信越本線がうかがい知れるように、この高崎‐横川間は現在も複線電化区間である。


写真1 信越本線横川駅


写真2 峠方の列車止め側から見た横川駅構内


写真3 隣接してある碓氷峠鉄道文化村。かつての補機EF63電気機関車も保存されていた。

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