2013/07/02

四万十川と吉野川

 先週末は四国に旅をした。起終点は松山、基点は徳島とし、3日間にわたり鉄道をひたすら乗りまくり四国を一周した。
 四国一周の旅第1日目。6月27日、松山10時14分発予讃線特急宇和海9号宇和島行きに乗車。
 松山駅は古い木造駅舎。なかなか味わいがあり、坊ちゃんの街に似つかわしい。この松山駅の1番線ホームの運用が面白く、長いホームの今治寄りに高松からの特急しおかぜ1号(岡山からの特急いしづち5号を併結)がまず到着し、次に待避していた松山始発の宇和海が宇和島寄りに入線してきて、二つの特急列車がまるで連結でもするかのように接近して停車した。高松方面から宇和島方面へ乗り継ぐ乗客の便利に配慮した運用なのであろう。なお、予讃線は高松‐松山間は電化されているのに対し、松山以西は途中から未電化のため直通運転ができないのである。
 さて、宇和海が定刻より2分遅れて発車した。高松からの接続列車の遅れによる。
 四国は1年ぶり。沿線のみずみずしい緑が美しい。手にはJR四国の企画切符「バースデイきっぷ」を握りしめている。この切符は誕生月の者に限り、四国島内のJRと土佐くろしお鉄道に3日間乗り降り自由で、特急の指定席やグリーン車も含まれてわずか1万円というありがたい切符。
 松山を発車すると、途中、内子、八幡浜などを経て終点宇和島には定刻の11時30分に3分遅れて到着。11時32分発の予土線窪川行きに乗り継ぐのだが、すでに発車時間を過ぎていたのに待ってくれており、駆け足で飛び乗った。
 列車は1両のディーゼルカーワンマン運転。期末試験の最中なのか、車内は下校途中の高校生たちで満員。
 沿線は相当に山深い。しかし、高く険しい山はなく、川が流れ、盆地になり、集落がある、沿線風景はこれの繰り返し。
 松丸12時21分着。ここで高校生がごっそり降りた。そしてこのあたりから四万十川が左窓に寄り添ってきた。ここからが予土線のハイライト区間である。
 真土‐西ケ方間が愛媛県と高知県の県境で、さすがにこのあたりがもっとも山が高く谷が深かった。
 そして次の江川崎で大半の乗客が下車、残ったのは女子高校生1名、鉄道ファンらしき者2名、一般人1名だった。この駅は四万十川観光の基点ともなっていて、ここで川は左から右窓に変わった。
 今日の四万十川は数日来の雨のせいでやや濁っており、残念ながら清流のイメージにはほど遠い。列車は四万十川に沿って下流に向けて走っているのだが、頻繁にトンネルをくぐり、橋を渡り、そのつど川は右に左にと風景を変える。途中、江川崎を出てしばらくしたあたりで沈下橋が見えた。増水に備えて欄干の付いていない独特の構造の橋で、四万十川の名物である。沈下橋はこの先もたびたび車窓を豊かにしてくれる。
 予土線は若井までが線区だが、すべての列車は次の土佐くろしお鉄道窪川まで直通していて、13時51分着。ここからは中村まで足を伸ばし足摺岬を訪ねたいところだが、旅程の都合上断念し土讃線の特急南風20号岡山行き14時01分発に乗車した。
 土讃線になって車窓は川から海へと一変した。途中、高知で長い停車時間を利用して改札口の外に出てみたら、駅舎は真新しく立派な高架の駅となっていた。
 高知を出て後免を過ぎたあたりから土讃線は長い登り坂となり、さらに列車はどこで分水嶺を越したのか、大歩危が近づくと左窓に吉野川が見えてきた。ここから小歩危あたりまでが土讃線のハイライト区間で、谷を削ってできた川が激流となって流れているのが眼下深くに見え隠れする。大きな岩がごろごろし、深い緑が神秘的だ。流れの激しさといい川の色といい、満々とした水がゆったりと流れる四万十川とはまるで印象の異なる様子だ。
 阿波池田16時19分着。ここで徳島線に乗り換え。16時37分発特急剣山8号。列車は相変わらず左窓に見える吉野川と並行して走っており、徳島が近づくほどに川の流れは大きくなり大河となった。
 徳島着17時46分。ここからもう一踏ん張りして鳴門線で鳴門との間を往復した。


写真1 予土線の車窓から見た四万十川。雨で沈下橋の橋桁まで増水している。


写真2 土讃線のハイライトは眼下に見える大歩危‐小歩危付近の吉野川の激流。


写真3 ローカル線の情緒がいや増す山間の小駅。土佐大正駅に停車中の予土線列車。

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