2013/06/26

企業訪問:カガヤ

 カガヤは、岩手県盛岡市にある鉄骨ファブリケータ。国交大臣認定で最高グレードのHグレード企業で、鉄骨ファブリケータとしては全国でも最大規模と評判の工場である。
 ここは岩手県の県庁所在地である盛岡市の中心から北へ約25キロ、西に岩手山、東に姫神山を仰ぎ見る自然豊かな地だが、国道4号線、東北自動車道、いわて銀河鉄道、東北新幹線という4本の大動脈の沿線にあり、近年、工場の進出が顕著なようだった。ここにカガヤの本社・武道工場を中心に団地工場や製品ヤードが集結している。
 初めに製品ヤードを見せてもらったが、その広大さに度肝を抜かれた。5万8203平方メートルの敷地に膨大な数の鉄骨が平置きされている。まだまだ鉄骨の需要回復は緒についたばかりのこの時期、ストックヤードを埋めつくすばかりの製品には驚いた。ファブの製品ヤードといえば、工場敷地の片隅を確保しているというのが一般的だが、ここでは広大な専用の製品ヤードが確保されており、同社の価格、品質両面にわたる競争力の強さを感じた。
 次にいよいよ本社・武道工場に。ここも大きい。敷地面積6万7550平方メートルに1万1623平方メートルの大きな工場建屋がどしんと構えており壮観だ。
 加賀谷輝雄社長、加賀谷住昭副社長、千葉範夫専務らが応対してくれた。
 1967年先代社長による創業で、 78年の団地工場、98年の武道工場と工場を新設するたびに飛躍的な発展を遂げてきているもののようで、リーマンショック以降は不景気でだいぶ生産水準を落としているが、それでも月産4千トンに達していて、ピーク時には年間10万トン、売上高210億円にも上っていたというから驚く。受注は7、8割が関東だという
 加賀谷社長にモットーを尋ねると、ずばり「品質第一だ」と。その一貫ということも言えるのだろうか、100%自社製作なのだそうで、外注は使わない方針。その分、品質管理も徹底できるということ。
 社員教育への傾注もその一つだろう。現在社員数は250人。毎年続けて新卒を採用していて、その教育の徹底を図っている。入社直後は全員溶接の基礎を実習するが、その後適性を見極めて各部署に配置するのだそうで、現在の溶接士は40人。
 工場内も見せてもらった。
 仮組からすべてが半自動溶接だというが、足が止まったのはやはりロボット溶接のライン。ツイントーチの溶接ロボットが回転ジグに設定されたワークにかかりっきりになっている。この日はダイヤフラムにボックス柱の溶接を行っていた。ワイヤ径は1.2ミリ。なお、半自動溶接のワイヤ径は1.4ミリだとのこと。適用する板厚は40ミリまでで、オペレータは専従。
 91年に初めて溶接ロボットを導入したそうで、この武道工場の完成とともに自動化ロボット化を拡大、98年からは大組にも適用している。オペレータは付いてはいるものの、夜間もロボットは操業していて、稼働率はきわめて高く、1台のロボットで3人分くらいの溶接量だろうとのこと。ちなみに、溶接材料の使用比率で算出したところ、同社の溶接ロボット化率は実に70%にも達するという。鉄骨ファブでこのロボット化率は驚異的ではないか。溶接ワイヤの使用量が月間40トンというのも半端じゃない。
 工場内で最後に案内してもらったのが「溶接道場」。
 新入社員の技能実習から溶接士のレベルアップまで幅広く道場は使われていて、同社の溶接技術の技術向上を担っている。この日は中国人研修生が実習中だったが、この中国人研修生の導入はこの10年来定期的に行われていて、ほぼ20人程度が研修中だとのこと。


写真1 稼働中の溶接ロボット


写真2 中国人研修生が実習中の溶接道場


写真3 広大な敷地に在庫が満載の製品ヤード

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