2013/06/24

この頃の上海雑感

 先週は上海に出張だった。
 わずか3泊4日の短い滞在。それもホテルとウエルディングフェア会場との往復ばかりだから何のこともないのだが、垣間見た上海の印象を一つ二つ。
 地元の人たちが口を開けば言うのは「景気が悪い」と。
 何しろ、大卒700万人のうち就職できているのは20%程度というから、日本よりも深刻な就職氷河期ということになる。
 リーマンショックあるいは2010年の上海万博以降の経済減速が顕著なもので、最近では習近平主席が贅沢禁止を訴えていて、役人の接待禁止や使用自動車の国産奨励などを打ち出しているほどで、「株高の日本がうらやましい」とも。
 ただ、給料は着実に上がっていて、今や若いサラリーマンの平均は日本円換算で月額16万円程度だというから、なるほどこれは日本に接近するほどの高水準だ。そのせいか、高級ブランドが人気なのだそうで、かつて横行していた偽物が街から消えたという。また、若い女性の服装も垢抜けてきた。
 この不景気はもう3年も続いているのだが、滞在中一緒に食事をした中国人銀行員の見方によると、「この状態はあと2年は続く」と厳しい見通し。GDPも7%を切ることになるとも。
 ということは、GDPでプラスマイナスのボーダーライン周辺にある日本とは基本的に水準が違うわけで、当然のことながら景気の悪さの質も違うということになる。
 それにしても、円安というのは海外旅行者にとってははなはだ面白くない。2年前に訪れたときには1元=11‐12円程度だったものが、今回は上海浦東空港の銀行では交換レートが18円を超していた。何のことはない約3割も目減りしていたのである。
 この結果、物価高が顕著で、レストランのメニューも軒並み高く感じたというのが実感。
 そうはいっても上海の楽しみは食にこそあり、今回も食通である中国人の友人においしいものをごちそうになった。
 まず。上海料理。蟹豆腐は蟹味噌をふんだんに使った料理で大変味わい深い。クリーミーなフカヒレスープも美味。このあたりは定番だが、「田うなぎ」と日本語に訳してくれた料理が珍しかった。真水に住むうなぎだということで、胡椒ととごま油の味付けが絶妙で、細かく切り刻んで料理しているのだが、苦手意識さえなければ癖になる味わい。とにかく中国は珍しい食材を上手に料理する。
 台湾料理というのもいただいた。上海でもこの頃は人気なのだそうで、鼎泰豊という店だったが、外国人も含めて行列ができていた。小籠包が人気メニューだそうで、とてもおいしくいただいた。
 今回は日本料理店にも行った。板前から仲居、材料、飲み物などとすべて日本から運んでいるということで、なるほどまったく日本と同様の味とおもてなしだった。


写真1 上海の中心部。ホテルの部屋から。


写真2 にぎわいを見せる上海の街路。南京西路と茂名北路の交差点付近。


写真3 上海料理の珍品「田うなぎ」

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