2013/06/21
昨日20日上海から帰国した。
今回もわずか中2日の滞在。それもホテルと展示場との往復ばかりだから何のこともないのだが、空港とホテルの往復や市内の移動には公共交通機関を利用した。
それでわかったことは、上海の地下鉄(中国名「地鉄」)がたくさん増設されてよく発達していたこと。とても便利になったし、そのせいか最悪だった道路の交通渋滞がいささか緩和されたようだった。かつては市内の移動はタクシーの利用が大半だったのだった。
上海の地鉄は、ほんの10年ほど前までは、市内を南北に縦断する1号線と、東西に横断する2号線の2本の路線だけだったのだが、2010年の上海万博開催に向けて急ピッチで地鉄建設が進められた。
万博後も地下鉄の増設や延伸が行われた結果、現在では実に13もの路線数に達し、世界でも有数の地下鉄路線網となっている。なお、上海の地鉄では路線名はすべて開設順のナンバリングとなっていて、最も新しい路線は13号線という具合である。
私の記憶では、万博の前の年の2009年までに開業していたのは7路線だったから、万博を境に前後して6路線も一挙に増設されたことになる。
一時は市内至る所で地鉄工事と道路工事が相まって土埃がひどく、上海の空気は最悪の状態だった。
いまや上海の地鉄は市内を縦横に巡らされているばかりか郊外にも延びていて、例えば2号線は、西は虹橋空港まで、東も浦東空港まで延伸されていて、時間を厭わなければこの二つの空港を1本の路線で結ばれることとなった。さすがに通しで乗ったことはないが、おそらく所要時間は2時間を超すものと思われる。
なお、この浦東‐虹橋両空港間は、現在は浦東から龍陽路までとなっているリニアモーターカー(中国名「磁浮」)が虹橋まで延伸する計画があり、実現すると20分弱くらいで結ばれることとなろう。
このたびもこの磁浮を利用したが、かつて開業当初は時速400キロ走行を自慢していたが、今回乗ったら300キロ前後の運転で、理由は定かではないが、おそらく安全運行を優先させているからであろう。
さて、上海の地鉄は、基本的に自動券売機で乗車券を購入し、自動改札を通る仕組み。また、自動改札機の手前で手荷物検査がある。
ホームにはホームドアが付いていて、6両から8両程度の編成が多いようだった。また、ホームと改札階との間にはエスカレーターが設置されている。
地鉄はどの路線もそれなりに混んでいる。我先にと乗り込む人が多く、席は奪い合いとなる。かつてはお年寄りに席を譲る姿が多く見られたが、この頃では少なくなったように感じられた。
地鉄の運賃は、距離とエリアの併用制のようで、都心部は3元(約50円)である。
また、上海公共交通カードというプリペイド式カードが発達していて、大概の人はこのカードを利用している。カード発行時に20元のデポジットを払い10元単位でチャージする仕組み。また、このカードはバスなどほとんどあらゆる公共交通機関で使用できるようになっている。
なお、上海の地鉄は路線網の発達とともに当然のことながら接続駅が増えるわけで、これはこれで便利なわけだが、上海の地鉄の場合、同じ駅名であっても路線ごとのホームは離れている場合が少なくないようで、多くは長い距離を歩かされる。まるで隣の駅ではないのかとさえ思われる。
どうやら、これは路線ごとは垂直に交差していることよりも、同一レベルで並行している場合も多いのではないかと推察されるのだった。
写真1 上海地鉄の地上入り口。1号線陜西南路駅。
写真2 地鉄のホーム。ホームドアが付いている。
写真3 龍陽路駅で発車を待つ磁浮列車。
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
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