2013/06/20

上海フェア印象

 上海フェアは2日目の昨日19日も来場者の出足は衰えず引き続き盛況だった。
 2日間にわたり会場を見て歩いた印象を思いつくままに記してみよう。
 まず、出展者の顔ぶれについて。
 世界の主要なメーカーが顔を揃えていた。それだけ中国市場への関心が高いということだろう。ただ、新規参入はなかったようだし、世界をリードする著名なメーカーの中にも規模を縮小しているところがあったし、世界のメーカートップ2のエサブの顔が見えなかったことには驚いた。うっかり見失ったのかもしれない。おそらくそうだろう。
 それよりも、地元メーカーの元気ぶりには感心した。800社ほども出展していたのではないか。驚くべき会社数で、日本の10倍ほどもあるのではないか。中国各地から参集しているのだが、それぞれにそれなりに賑わっている様子だから面白い。こうした中からいつグローバルなメーカーに成長するかわからない楽しみもある。
 また、ここ数年来地元メーカー勢の先陣を切ってきた若い起業家たちの企業の中にも多少の変化はある。
 いずれもその成長が楽しみで注意深く見守ってきた企業たちなのだが、トップを走っていたかに思われた時代グループにはいささか陰りが見られた。開発の方向をごく狭い分野に絞ったせいでもあるのだろう。
 注目されたのはカイアルダの動向。技術開発力が強く順調に成長を続けていて、昨年は安川の技術提携を受けてロボット分野にまで進出していたが、今回の展示を見る限り自社製ブランドは断念し安川のモートマンに絞った様子だった。
 関連して話題の中心は安川がカイアルダに対し20%の資本参加をしたということ。さらに、その安川が常州に中国工場を建設、今週土曜日22日にオープンするということで、巨大市場を巡って世界的メーカーのしのぎあいが激しくなってきた様相だ。
 また、この安川とカイアルダはお互いのブースで、モートマンロボットと専用溶接電源デジタルウエルダーRD350をアピールしていて、ロボットと電源を組み合わせた総合的展開を図っていた。このうち、電源についてはカイアルダが製造を担当するのかもしれない。
 次に、出品内容について。
 ロボットの出品が目立って多かった。これは地元業界で自動化・ロボット化ニーズが高まっているからで、賃金の上昇が背景にある。ロボットは日本の得意とするところだが、ファナックや安川、パナソニック、ダイヘンの日本勢を筆頭にABBやKUKA、CLOOS、Reisなどが火花を散らしていた。
 先端分野であるレーザ溶接に関しては、トルンプが6キロのディスクレーザ、IPGがYAGレーザを出していたくらいで、それも実演もない小さい展示だった。
 FSWについては、上海航空設備製造会社がアルミの摩擦攪拌接合の実演を行っていた。
 出品物で面白かったのは、KUKAのロボット。アームだけが自立したような多関節ロボットで、これで7軸あるという。また、可搬重量は7キロだということだった。ハンドリング用で、銅とステンの摩擦溶接を実演していた。
 また、内容的に濃かったのは、田中が出品した6キロワットの発振器搭載型レーザ切断機で、2ミリ厚ステンレス鋼の切断が評判を呼んでいた。さらに、小池は2キロのファイバーレーザを出品して注目を集めていた。
 とにかくハードに関しては着々と世界のトップに近づきつつあるというのが印象。ただ、品質へのニーズはまだまだ先だというのも正直なところ。ハードを揃えることはある程度経済力でまかなえるが、溶接の品質確保はここからが難しいところ。
 会場でこのような話が聞けた。一つは、「能率への関心ばかりで高度な品質へのニーズは感じられなかった」というもので、今一つは「日本や欧米先進国の品質に追いつくにはまだ10年はかかるのではないか」というものまであった。


写真1 ロボットへのニーズが強かった


写真2 安川とカイアルダの動向が会場で話題に。写真はカイアルダのブース


写真3 KUKAが出品したロボット。アームだけが自立したような構成で7軸。

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