2013/06/14

東横線渋谷地下新駅

 東急の東横線渋谷駅が3月16日に地下駅に移ってちょうど3カ月となった。
 東横線と東京メトロの地下鉄副都心線との相互直通運転を行うためで、新しい東横線渋谷駅がどうなっているのか、現地で検分してきた。
 まずは、横浜方の中目黒駅で東横線の発着状況を見ていた。
 渋谷方から到着した電車は、大半が横浜駅からその先みなとみらい線に乗り入れて元町・中華街行きとなっている。ほかに、菊名、元住吉、武蔵小杉、横浜行きなどという列車もあるようだが、これは早朝、深夜のごく一部だけ。
 一方、反対方向の渋谷方面行きには渋谷止まりのほか、副都心線の和光市、東武線の川越市、西武線の飯能、保谷などとあって実にめまぐるしい。
 目的地と列車の行き先をきちんと確認しておかないと、思わぬところに連れて行かれてしまいかねない。さらに、特急や急行、各駅停車などが次々と出ているからますますややこしい。使用している車両も、東京メトロ、東急、東武、西武などとにぎやか。
 なお、地下鉄日比谷線はこれまで中目黒駅から先東横線に乗り入れていたが、このたびの東横線渋谷新駅開業に伴い直通運転は廃止となり、すべて中目黒止まりの折り返し運転となった。
 さて、渋谷行きに乗車。一つ目代官山の手前で地下へ入り、次の渋谷までわずか4分。この渋谷地下新駅は副都心線と供用駅で、島式ホームが2面4線。すべてホームドア付きで、副都心線内各駅停車はワンマン運転である。
 ここで電車の運行状況を見ていたが、池袋方面行きは大半が副都心線あるいは東武線直通で、西武線直通はピーク時で約3割程度。逆に池袋方面から到着した電車はすべてが東横線直通となっていた。
 いったん地上へ出てみよう。これがなかなか大変。なにしろホームが地下5階にあるのだ。改札口が地下3階で、この階で半蔵門線や田園都市線との乗り換えとなる。なお、地下鉄銀座線は地上3階にホームがあるから、その乗り換え所要時間は10分では足りないのではないか。もともと、この渋谷駅はJR線も含め複雑な構造で、乗り換えは不便な駅だったが、このたびの東横線地下駅化はその複雑さを一層激しくしたようなものだろう。
 地上に出てわかるが、この渋谷地下駅は、新しく人気の商店街となっている渋谷ヒカリエの地下に位置している。これは東横百貨店跡地を再開発したもので超高層複合ビル。
 初めに、池袋から新宿三丁目を経て渋谷まで副都心線が開業したのが2008年。東武線と西武線が池袋から乗り入れて渋谷に達していた。
 そこから5年遅れて東急が乗り入れたわけで、副都心線を介し東武、西武と東急が相互に直通運転を行うこととなったわけである。
 また、池袋、新宿、渋谷の三つの副都心が一つに結ばれたわけだが、沿線開発を含めて今後人の流れは大きく変化していくものと思われる。
 3副都心とも巨大繁華街を擁しているわけで、当然のことながら綱引きも激しいはず。これまでのところ新宿の一人勝ちという見方もあるようだが、果たしてどうか。
 そのことで不思議なのは東急の態度。東武と西武はともに池袋のターミナルはそのままに、一部列車の相互直通運転というやり方。本丸は守ったままで、相手先からの乗り入れを期待しようということ。
 これに対し、東急は東横線の地上駅はあっさり廃止し、すべて地下駅での相互直通運行に切り替えてしまった。これでは渋谷は通過駅になってしまいかねず、これは大胆な決定。この勝算がどこにあるのかは大方にはわからない。
 東横線の渋谷駅は、かつて地上2階にあって2面4線の頭端式ホームがいかにも風情があったものだが、それが消えてしまって東横線沿線の人々はいささか複雑な心境ではないか、そのようにも思われたのだった。


写真1 東横線・副都心線渋谷駅地下5階ホーム


写真2 同じく地下3階の改札口


写真3 解体撤去作業が始まったかつての東横線地上駅

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