2013/05/30

ラファエロ展

 上野の国立西洋美術館で開催されているラファエロ展を見た。
 会期末が近いというせいでもあったのだろうが、終末の土曜日とはいえチケットを購入するのに約1時間、会場に入るまでに約30分待たされたほどの長蛇の列で大変な人気ぶりだった。
 ラファエロの絵は、所蔵する各美術館ではどこでも貸し出しすることは滅多にないものなそうで、ラファエロ展が日本で開催されたのもこれが初めてだということ。
 ヨーロッパの絵画は得てして宗教色の濃いものが多いから随分とたくさん見て数をこなしてはいても、なかなかピンとこないことが少なくないものだが、ラファエロの作品はルネサンス期にあってとにかくとても美しくてわかりやすかった。
 その印象は当時の人たちも同様だったそうで、それで大きな人気を博したようだ。
 会場には、油彩だけでも20点も超えるラファエロの作品が展示されていて、37歳の若さで亡くなったというラファエロの生涯が概観できる内容だった。
 冒頭に展示されていたのが<自画像>(1504‐06年)で、ラファエロ21歳頃の作品。繊細でナイーブさが感じられる。あるいは、10代のころからその天才ぶりがもてはやされたというから、陶然とした自意識が混ざったような印象もある。
 お目当ては<大公の聖母>(1505-06年)だろう。ラファエロは多数の聖母子像を描いたことで知られるが、この作品はその中でも傑作との評価。
 聖母の慈愛に満ちた表情。わずかだが憂いも感じられる。とにかく美しい。当時の人たちは女性の理想像だと称えたということだが、さもありなんと思う。
 造型もいいし、色使いも穏やかだし、宗教画を越えた親しみがあって楽しみやすいようだ。板に油彩だからだろうか、妙なあつぼったさもなくすっきりしていて、聖母の優しさが際立っている。
 面白かったのは<無口な女>(1505-07年)という作品。ラファエロがダ・ヴィンチの<モナリザ>を参考にして描いたといわれる。なるほど、身体の向きや手の組み方が似ている。ほほえみこそないものの、毅然とした態度で凛とした美しさがあり、会場で展示されていたラファエロの作品の中でも際だった存在感があった。
(写真はいずれも会場で販売されていた絵はがきから引用)


写真1 ラファエロ<自画像>


写真2 ラファエロ<大公の聖母>


写真3 ラファエロ<無口な女>

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