2013/05/16

神戸散策


 今週は昨日まで神戸、大阪と出張だった。
 神戸では、少し早めに到着して市街地を1時間ほどぶらぶらしてみた。
 神戸は東西に細長い街。六甲山の麓に開けた街だが、山がすぐに海に迫っている。
 幕末の開港以来、日本を代表する貿易港だが、今日に至るも港町としての風情が色濃く残る魅力的な街だ。とくに外国人の居留が独特の情緒を醸し出していて、同様に異国情緒の強い函館や横浜、長崎などと比べても、現代に至るも外国人の生活が街に溶け込んでいるということでは、神戸はその最たるものだろう。
ファッションや料理、洋菓子などにしゃれた味わいも持つところから若い女性にはことさら人気の観光地ともなっていて、とくに、神戸の中心JRの三ノ宮駅(阪急・阪神は三宮駅と呼ぶ)から山側に坂道を登っていった北野界隈は、異人館があったりして人気のスポットとなっていて、いつでも若い女性たちで賑わっている。
 しかし、北野界隈は神戸観光としては初級編みたいなもので、あまりに観光地化されていていささか落ち着いた情緒に欠けるので今回は気乗りしない。
 これは調べてわかったことだが、神戸にはもう一つほかに洋館の建ち並ぶ街があるらしい。それを訪ねてみよう。
 JRの塩屋あるいは山陽電鉄の山陽塩屋が最寄り駅。ここは神戸市街地の西のはずれに位置している。
 JRの塩屋駅で下車して、駅売店のおばさんに洋館の建ち並ぶあたりを尋ねたら、方向を指さしながら「歩いて15分くらいだけど坂がきつい」とのこと。
 幸い、駅前に塩屋駅付近のガイド地図を掲示した看板が立っていた。それを頭に入れて歩き出した。
 まずははじめに、最も近そうな旧ジェームズ邸から。
 なるほど坂がきつい。しかも道が細いし入り組んでいる。それでも何とかたどり着いたら、これが実に立派な洋館だった。敷地内に入ることはできなかったが、垣根越しにも往年の風格が漂っている建築で、敷地も広大なようだった。現在は結婚式場として利用されているようだった。
 この屋敷の主だったジェームズというイギリス人貿易商が、そもそもこのあたりを外国人用の住宅地として開発したのだそうだ。
 それが今日ジェームズ山と呼ばれるほどに洋館の建ち並ぶ一角が誕生したもののようだ。そのジェームズ山にも寄ってみたが、外国人専用の広大な居留地のようになっていて、入り口にはゲートがあり、とくに入場禁止の断りはなかったのだが、いささかはばかるし遠慮して引き返した。
 ぶらぶら今度は坂道を下るように歩いていたら、品のいいおばあさんに出会ったので、このあたりの事情を聞いたら、かつては70棟も洋館が建ち並んでいたのだそうで、「この頃は街の様子もすっかり変わってしまいました」と嘆息気味に話してくれた。
それでも、神学校があったり、教会があったり、外国名の幼稚園があったりといかにも異国情緒が感じられるし、街全体が落ち着いた高級住宅街となっていて、一般の住宅にも洋風のものが多いから、坂道さえ苦にしなければなかなか味わい深い散策路だ。
 また、坂道の途中では、眼下に明石海峡大橋と淡路島が遠望できたのもうれしいことだった。
 駅に引き返して、もう一度くだんの地図を確認したら、駅のそばにも有名な洋館があるとのことだったので、そちらにも足を伸ばしてみた。
 これはさらに細くきつい坂道となっていて、その奥まったところに旧グッケンハイム邸というのがあった。これも公開日ではなかったので内部に入ることはできなかったが、白と青で彩られたしゃれた洋館だった。


写真1 旧ジェームズ邸


写真2 旧グッケンハイム邸


写真3 坂道の途中から明石海峡大橋を望む

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