内閣府、インフラ維持費 40年で547兆円

18/04/09

橋や道路、公共施設など国内のインフラ構造物の経年化が進み、溶接をはじめとする補修や維持管理の予算・人員確保が課題となっている。内閣府はインフラ施設を維持する費用が2015年度から54年度の40年の総額で547兆円に及ぶと試算した。健全性の確保とコスト削減を両立するために、構造物の長寿命化や新技術の投入、維持保全における民間企業の活用など実効性のある施策が求められる。

 3月29日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で報告した。国内の社会資本の老朽化は急速に進むと予測されており、国土交通省の調査によると、道路橋では国内約40万橋のうち、2023年度で約43%、33年度には約67%が建設後50年を経過する。高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化が急速に進むなか、通常の維持や損傷時の補修を行う「単純事後更新」を行った場合の維持管理費用を、今回はじめて内閣府が試算した。その結果、15年度時点で約9兆円、54年度時点では約16兆円と、15年度比で1・75倍に増加する。特に25年度にかけては、年平均で2―3%ずつの増加と見込む。40年間の総額では547兆円に及ぶ。
 15年度から54年度までの総額の内訳は、土木インフラ(道路、港湾、鉄道、治水など)が399兆円、公共建築物(公共住宅、廃棄物処理施設、庁舎など)が149兆円だった。また、地方公共団体の公共施設管理計画において、長寿命化対策や施設の統廃合など「対策を行った場合」と「行わなかった場合」の両方を記載した189団体を分析した結果、ばらつきはあったものの平均で24%トータルコストを抑制することがわかった。
 これらのコスト削減策を全国展開した場合の維持補修と更新費の試算では、従来の15年度から54年度にかけての1・75倍の増加が、1・18倍までに抑制できるとした。
 同会議では今後の方向性として、各インフラ所管省庁において「中長期的な維持補修・更新費を精緻化し『見える化』する必要がる」とし、新技術の活用や、公共施設の運営に民間の資金やノウハウを投入するPPP/PFIの推進を図ることを重点項目とする。臨時議員として出席した石井啓一国交相は「施設の損傷が軽微な段階で予防的に修繕を実施し、長寿命化やトータルコストの縮減を図る予防保全が効果的である」とし、「メンテナンスサイクルを確立・徹底し、地方公共団体への技術的・財政的支援を推進する」方針を示した。
 新技術の活用では「次世代インフラ用ロボット」を挙げ、17年度から実施した水中点検ロボットや、18年度から導入予定の橋梁・トンネル用点検ロボットを例に、効率的な維持管理に向けた、新技術の開発と社会実装を加速する。民間の資金やノウハウの活用では、浜松市の下水道施設を例に、改築工事や維持管理を20年間の長期委託した結果、事業費総額で86・6円削減できたとした。地方ブロック単位で産官学の協議の場を設置し、情報共有を通じて案件形成を促進する。
 

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