2017業界展望/溶接材料

17/01/06

 2016年度(16年4月―17年3月)の国内溶接材料需要は前年度に比べ約6%減少する見通しだ。上期の建築鉄骨は首都圏を中心とした大型の再開発計画はあるものの、発注・着工の後ろ倒しや工事の遅れなどで回復が遅れ、溶接材料の受注に十分結び付かなかった。造船は手持ち工事を確保している半面、受注低迷がFCWの出荷に影響を及ぼした。自動車は震災の影響などを受け出荷は低調に推移し、上期の内需は前年同期に比べ7%減少した。
 年度末にかけて、建築鉄骨向けの溶接材料需要は増加、造船向けは受注低迷にともない減少、自動車は上期の震災など特殊要因がないと仮定すれば増加に転じる見込み。下期は上期に比べ需要は増えるものの、合計では6%程度の減少が予想される。
 国内トップメーカー、神戸製鋼所が発表した溶接事業部門の2017年3月期通期業績見通しは、溶接材料の内外の需要低迷により、売上高810億円(前期比12・1%減)、経常利益80億円(同19.8%減)を予想する。
 国内で最も溶接材料出荷量の多い建築分野は、16年度の投資額が27兆6000億円と前年度に比べ約2%増加した。鉄骨需要についても10月までの統計によると前年度とほぼ同じレベルで推移し、前年度の498万トンから510―520万トンへの増加が見込まれる。
 ファブリケーターは地域により物件規模の違いもあり多少の差がみられるほか、一部で稼働率が低下していると指摘もあるが、全般的に需要と供給が均衡する状況の中、適度な仕事量を確保している。
 溶接材料メーカーにとって鋼材など各種原材料の高騰が懸念要因となる。日鐵住金溶接工業は昨年12月16日、溶接材料の販売価格を2017年1月出荷分からトン当たり1万円以上値上げすると発表した。対象品種はステンレス鋼用、裏当て材、タブ材を除く全品種。
 10月に鉄鋼原料、各種フラックス原料など素材供給各社からの相次ぐ値上げ要請を受け、大幅なコストアップに直面し、「自助努力により吸収可能な幅を大きく超えている」と判断。また、今後さらに素材価格が上昇した場合は追加値上げも検討するとしている。

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