形状の異なる固形タブ、来年4月から実大実験

12/10/17

 中込忠男信州大学教授らの研究チームは、来年4月から形状の異なる固形エンドタブを用いた突合せ溶接継手の実大実験に着手する。引張試験の成果に関しては今年9月の日本建築学会大会で発表。中込教授は改良型の固形タブについて「いいものだから世の中に広めたい。欠陥が生じにくく補修が少なくて済むため、鉄骨品質の向上につながる。ユーザーにとっては良好な変形性能を期待できるメリットもある」と語る。
 今秋の建築学会大会で発表した論文は、「形状の異なる固形エンドタブを用いた突合せ溶接継手の引張試験その1実験計画概要」「同その2実験結果及び考察」(中込氏、山田丈富氏・千葉工業大学、的場耕氏・角藤、原章氏・スノウチ、村松亮介氏・信州大)。
 柱梁接合部の梁端溶接に固形エンドタブを用いると、歪み集中点は柱側(ダイアフラム側)にも生じる。また、溶接始終端部が梁フランジ幅に存在するため、スチールエンドタブに比べて内部欠陥が生じやすい。一方、市場では歪み集中の緩和と、溶接始終端部を見やすい形状にすることで欠陥発生率の低下を意図し、改良された固形エンドタブ(Y型=スノウチ製)がすでに発売されている。
 今回の研究では、従来のF型とY型の固形エンドタブによる溶接継手の引張試験を行った。端部に内部欠陥を想定した試験体を製作し、欠陥の有無や形状、固形エンドタブの形状が溶接部の性能に与える影響を確認。さらに、F型、Y型の端部の欠陥を変数とした溶接部の引張実験の破断性状と荷重変形関係を報告し、タブの違いや欠陥が継手性能に与える影響について考察した。
 実験の結果、改良されたY型は内部欠陥の有無にかかわらず、耐力、変形能力について在来のF型を上回ったと報告した。

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