天地人 (ライブラリ)

原発を巡るこの頃の動き

 東電福島第一原発事故に関する国会の事故調は先週菅直人前首相を参考人招致して質疑を行った。この模様を新聞やテレビの報道でうかがい知ったが、事故当時の首相でありながら責任逃ればかりで唖然とした。国会事故調は事故調設置法に基づく強制力のある調査委員会なのであり徹底した調査継続が求められる。現在、政府事故調、民間事故調と3つの事故調査委員会が並行して調査を進めているが、いずれにおいても経緯の解明と原因の究明が今後の原発問題を考える上で絶対に必要だ▼他方、経産省の総合エネ調の基本問題委員会は2030年の電源構成の原案をまとめた。原発比率を50%とする現行のエネルギー基本計画の見直し行っているものだが、エネ調では原発比率でゼロ(つまり脱原発)、15%(つまり脱原発依存)、20‐25%(つまり依存度低下しつつ原発維持)、数値なし(つまり市場メカニズムまかせ)の4案を選択肢としている▼原発事故原因究明が進められているこの段階で原発依存度を決定してしまうというのもいかがなものかとも思われるが、もっと驚くことは、エネ調の答申を受けて政府は4案の中から1案に近々にも絞って決定する予定だという。事故の対応には遅々としていたのにここで何を急ぐのか、もっと国民的な議論が必要なのではないか。

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