天地人 (毎週更新)

最新コラム

2012/05/15

2012年問題

 「2012年問題」なる言葉がある。もちろん2012年に人類が滅亡するというような終末論のことではない。かつて2007年問題というのが喧伝されたが、5年を経て問題はどのように変わったのだろうか▼そもそも07年問題とは団塊世代の大量退職によって我が国の労働力に大きな空白が生じるというものだった。これに対しては、高年齢者雇用安定法が施行されるなどして、60歳定年後も引き続き65歳までは雇用機会を提供するという取り組みが定着、07年問題はクリアされてきた▼しかし、5年を経て継続されてきた団塊世代の労働市場からの一斉退場は待ったなしの状況となった。それが2012年問題である。しかも、この5年の間に、溶接技能者の確保などに対し抜本的な対策はとられてきたのだろうか。技能の伝承は進んだのだろうか▼細かな事象を積み上げると、溶接を初めものづくりへの取り組みは前進しているように思われる。高校生による溶接コンクールが各地で盛んに開催されるようになって、高校生の間に溶接への関心が高まったし、ひいては一般社会での理解も進んだ。プロである溶接技能者の間でもコンクールに参加するなどして技能の研鑽に対する意欲は強い。今後はこうした高まりをさらにリードしていくような制度的な方策が望まれるのである。

2012/05/08

いよいよ溶接甲子園視野に

 高校生による溶接コンクールがますます盛んになってきた。今年はついにこれまで地区大会の開催されていなかった関西地区でも開催されたし、県単位の大会も続々と開催の方向にある▼第1回関西地区高校生溶接コンクールは4月14日、国際ウエルディングショー開催中のインテックス大阪を会場に開催された。参加したのは大阪、兵庫、京都、奈良の2府2県で、10校18人が出場した。A‐2Fが課題だったのだが、初めての開催ということもあって出場選手間の成績には多少のばらつき見られたものの、全体的には出場選手はまずまずの成績だった▼関西地区では、すでに大阪府と兵庫県でコンクールが開催されており、奈良県でも今年から開催となったが、県単位の大会は今や全国47都道府県の過半数で開催されるに至っており、地区大会も関東甲信越、中部、九州に、準地区大会的中部地区とこのたびの関西地区を加えると、県大会や地区大会に参加している都道府県は38にも上っており、いよいよ全国大会である「溶接甲子園」も視野に入ってきたところである▼また、全国大会に向けて競技課題や審査要領の策定などが必要とされるほか、高校教員向けの研修会や生徒も交えた実技指導も望まれており、全国の溶接協会あげての取り組みがますます重要となろう。

2012/04/24

海外勢の攻勢顕著

 このたびの国際ウエルディングショーで注目されたこと。1つは韓国勢の攻勢。韓国財閥の暁星が大きな小間を構え積極的な営業を展開していた。溶接機の品揃えがアークから抵抗まで幅広く、とくにアーク溶接機では低価格を積極的に売り込んでいた。外観はフルデジタル機の最新モデルを見慣れた日本人にとっては多少古くさいような印象も持つが、魅力はその価格で、日本メーカー機の約4割の値段とアピールしていた。また、テウォンはマグ溶接の電極チップを1袋(5個入り)200円と価格を明示して値頃感を訴えていた▼日本の溶接業界は長らく韓国・台湾等海外勢にソリッドワイヤで低価格攻勢をかけられてきていて、これに日本勢は必死でコストダウンを行う一方、品質の向上を一層図り差別化を行って対抗してきた歴史がある。このたびのショーで溶接材料分野では現代やKISWELがすでに定着した存在感を示していたが、溶接機分野においても海外勢の進出が顕著なものとなる予兆を感じたのだった▼こうした事態に直面しながらいかにも残念だったのは、迎え撃つべき日本勢に溶接機大手のダイヘン、パナソニック両社の姿がなかったことで、ますます競争が激化するアジア市場において、日本勢の存在感が足元から薄れていくことはいかにも寂しいことだった。

2012/04/17

活発な国際交流

 盛況だった2012国際ウエルディングショー。いくつもの話題をもっていたが、人と人との交流も活発だった▼とくに今回は海外からの来場者も目立って多く大いに盛り上がった。開幕前夜にはAWS(アメリカ溶接協会)の幹部と会食があり、ライス会長、シュック専務理事らが出席した。彼らとは旧知の間柄だが、それでも日本での交流ということもあり大いに話が弾んだ。席上、アメリカ側からは友好関係を一歩進めて共同の事業を立ち上げないかとの提案があった▼ライス会長には開幕記念講演で基調講演をいただいた。広い国際会議場を埋めるほどに日本側の関心も高く、ライス会長はAWSは7万人の会員を擁し、向こう5年10年先の課題は少子高齢化による溶接工不足だとし、現在24万3000人が不足しているとのことだった。ライス会長の講演はきわめて具体的で貴重な内容だったし、講演後の聴講者との質疑応答も大変活発で、印象深いものだった▼また、初日の夕方にはオープニングレセプションが行われたが、出展者の代表や内外からの来賓が出席していて、出席者の約4割が外国人で国際色が豊かだった。おそらく20カ国ほどの人々が出席していたと思われるが、これほど国際性の高いパーティーも国際会議以外では珍しいほどのもので、大いに友好を広めた。

2012/04/10

2012国際ウエルディングショーいよいよ開幕

 2012国際ウエルディングショーがいよいよ今週11日インテックス大阪で開幕する。会期は14日までの4日間で、並行して溶接学会の全国大会やアジア溶接連盟の総会も開催されるから今週はまるで「溶接ウィーク」といった様相だ▼ショーには内外から194社が出展する。景気停滞の影響からさすがに過去最大とはならなかったが、ほぼ前回と同規模での開催となっていて国際ウエルディングショーとしてのポテンシャルを十分に維持したものとなっている▼とくに新規出展が58社と全体の約30%を占めるに至っていて、極めて活性化された内容となっているし、海外からの出展も、初出展のインド、ウクライナを加え海外製品の出品は17カ国90社に及んでおり、直接出展も10カ国26社にも達していて、国際色豊かなものとなっている▼出品内容を見ると、レーザ加工機の出品が32社にも及んでいるのが目立ち、とくに急速に普及してきたファーバーレーザは19社もの出品となっているのが注目される。また、電子ビーム溶接機4社、FSW2社、ウォータージェット加工機2社に加え溶射関係9社などと幅広いプロセスの出品が見られていて、先端技術に直接触れる機会の多い展示内容となっているのが最大の特徴で、世界三大ウエルディングショーの一つにふさわしいものとなっている。

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