秋葉原日記 (ライブラリ)

休日のプロムナードコンサート

 先週の土曜日23日は、サントリーホールで行われた東京都交響楽団のプロムナードコンサートに出かけた。
 都響もそうだが、N響にしても日本のオーケストラの場合、定期演奏会などはなぜか平日に行われることが多いようだが、これに対し、都響のこのプロムナードコンサートは休日に、それも昼下がりに行われるシリーズだから、それこそ気軽にプロムナードでもするように夫婦連れなどで出かけるには格好の演奏会となっている。
 今回の演目は、演奏順に、ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ編交響詩「はげ山の一夜」、クーセヴィツキー・コントラバス協奏曲、リムスキー=コルサコフ交響組曲「シェヘラザード」の3曲。指揮梅田俊明。
 ムソルグスキーもリムスキー=コルサコフも19世紀ロシア人作曲家。それも両人ともロシア近代音楽に民族主義を持ち込んだ者たちとされていて、なるほど、曲はいずれもきわめて民族性の高いものだった。
 「はげ山の一夜」はムソルグスキーの作曲だが、今回演奏されたのはリムスキー=コルサコフの編曲になるもの。ティンパニばかりか大太鼓や鐘などと数多くの打楽器が多用されていてきわめてプロパガンダ性の高い内容となっていた。
 「シェヘラザード」が今回の演目の中では一番よかった。シンフォニーと同じく4楽章から成っていて、曲想が豊かに広がっていたし、繰り返される主旋律がとても印象的だった。この主旋律はバイオリンのソロでコンサートマスターでもある四方恭子が演奏したのだが、高音部と低音部のメリハリがよかったし、とくに高音部の繊細さは断然秀逸ですばらしいものだった。
 この2曲とも主旋律はどこかで聴いたことのある既視感にとらわれたのだが、それはこれらの曲がロシア民謡をモチーフにしていたせいかもしれない、そのように受け止めたのだったし、メロディー全般が日本人にもなじみよいようで親しみ深かった。。
 また、コントラバス協奏曲のクーセヴィツキーはボストン交響楽団の指揮者として知られるが、やはりロシアの出身だということ。コントラバスのコンチェルトはなかなか珍しいことで初めて聴いた。曲の数も少ないらしい。チェロとも違って、高音から低音まで重層的な印象だった。コントラバスは山本修。
 音楽もそうだし、絵画にしろ映画にしろ演劇にしろ、見たまま聴いたままそぐに感想を述べるのが自分の癖で、このたびも連れの家内に率直に感じたままを話した。
 いつもだったら、あまりにとんちんかんなことをいうものだから苦笑いされたり、たしなめられたりするのだが、このたびは家内は強く反論することもなく穏やかに笑っていた。これは珍しいことなのだが、今回の感想があるいはそれなりに当を得ていたせいかもしれない、勝手ながらそう受け止めることにしたのだった。
 いずれにしても、音楽に限らず、小説にしろ絵画にしろ、あるいは映画や演劇にしろ、どうせ素人なんだし、よかった、面白かった、美しかった程度でいいと自分では思っていて、専門家や詳しい人に言わせたら何と浅薄なことよと笑われるのだろうがあまり意に介さないのが自分流だ。
 結局、自分の第一印象を大事にしないでしかつめらしく理屈を述べたところで感動は残らないわけで、それよりもより多くのものを読んで見て聴いて楽しむことこそが肝要なのだろうと思っている。

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(演奏開始直前の会場)

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