秋葉原日記 (毎日更新)

ボストン美術館展

 東京・六本木の森美術館(森アーツセンターギャラリー)で開催中のボストン美術館展を見た。
 ボストン美術館は、所蔵品45万点ともいわれる世界有数の規模を誇る美術館。とくにフランス印象派絵画のコレクションが充実していることでも知られる。その美術館が改修中ということでこのたびの展覧会が実現したものらしい。
 会場には、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、コロー、ミレー、マネ、モネ、ドガ、セザンヌ、ルノワール、ゴッホ、ピカソ、マティスなど47人の画家の16‐20世紀ヨーロッパ絵画作品80点が展示されていて多彩で実に豪華。近・現代ヨーロッパ絵画がほぼ一覧できたのではないか。
 このうち、実物はもとより画集などでもこれまでみたことがなかったような作品が幾つかあって興味を惹いた。
 例えば、マネの「ピクトリーヌ・ムーラン」は陰影の強い肖像画で、そのモデルがあのマネの代表作「オランピア」と同一人物と聞いて興趣が強かったし、ドメニコ・フェッチイの「改悛のマグダラのマリア」はその艶やかさがかえって悩みを深くしているようで印象深かった。また、ファン・クリスという画家はこれまで名前すら知らなかったが、その作品「ギターのある静物」は平面を重ねたような作風が新鮮におもしろかった。
 会場でこの1点として採り上げるならクロード・モネの「アルジャントゥイユの雪」(1874年頃)だろうか。
 モネはアルジャントゥイユには住んでいたからたくさんの作品を残しているが、この雪景色は初めて見た。どちらかといえば色彩豊かな画風のモネが沈んだ色調の風景画を描いたということが新鮮な驚きで、まるで日本画を見るような印象にとらわれた。モネの作品は風景画が10点も同時に展示されていたから、様々なモチーフを比べながら鑑賞できて興味深かった。
 ただ、ボストン美術館といえばそのコレクションの中ですぐに思い浮かぶゴーギャン「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」やゴッホ「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」などは含まれていなく、全般的には横綱・大関級というよりも平幕クラスの作品が多いというのが率直な印象だった。
 ところで、この展覧会は夜8時まで開館しているということで平日の夕方会社が引けてから出かけた。そうしたら、さほど混んではいないし、落ち着いた情緒が漂う中でじっくりと鑑賞できてとても良かった。
 また、美術鑑賞のあとは会場の六本木ヒルズにあるレストランで連れ合いと夕食をとったのだが、ロケーションもいいし豊かな時間を過ごせて楽しかった。

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(クロード・モネ「アルジャントゥイユの雪」=会場で販売されていた絵はがきから引用)

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