2016/06/30

産報出版よ永遠なれ

 新卒で入社したから産報出版での勤務ももう47年にもなる。入社当時、本社は秋葉原の現在地で、その後、新ビルが完成して浜松町に移転していた時代もあったが、ここ秋葉原のビルも新しく建て代わって再び秋葉原に帰ってきて現在に至っている。
 当社は1948(昭和23)年の創業で、当初は溶接の専門出版社としての営みだったが、その後、業容の拡大が著しく、アサヒゴルフやフィッシング、ハウスプラン、電子科学、ソフトウエア科学などの月刊誌や週刊アサヒゴルフなどの週刊誌からプロパン新聞や旅行新聞といった専門新聞、あるいは技術書・工学書、アサヒギャララリーなどと総合出版社へと発展、一時は定期刊行物の発行は24紙誌を数えるに至っていた。これは講談社小学館を上回って当時日本最大ではなかったか。同時にゴルフ事業にも進出、全国に直営のアサヒカントリークラブを展開したほか、産報クラシックというゴルフトーナメントの主催も行っていた。また、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、北九州に支社支局を擁し、産報印刷や産報観光など多数の関連会社を有する一大企業グループを構成、最盛時の社員数は1600人を超えていた。
 その後、経営上の紆余曲折があって事業部門ごとの分社化なども行われていて、現在の産報出版は創業以来の溶接部門を継承して今日に至っている。
 入社当時、産報出版はまさしく隆盛期だった。社員の平均年齢が20代で、大幹部ですら50前後ではなかったか。まことに元気のいい会社で、自由闊達、談論風発をよくした。毎年、雑誌の創刊が相次ぎ、ゴルフ場を一つずつ開設していた。
 私は入社時溶接部に配属された。溶接など言葉すら耳にしたことがなかったから、驚いたし、正直不満だった。1年持てばいいかと思っていたが、何のことはないここまで産報一筋、溶接一筋でやって来た。
 会社は必ずしも順調ばかりではなかったし、困難な時代もあったが、一度たりとも紙齢を絶やすことがなかったことは幸いだった。また、個人的には一貫して編集畑を歩き、社長も歴任させてもらった。
 これはひとえに溶接業界の方々のご指導ご鞭撻によるもので、このおかげで何とかやって来られた。大学の先生方や企業の皆さん、地方の業界の方々などと日本全国幅広くおつきあいさせていただいたし、長いキャリアの中では海外の人たちとの交流も多かった。
 まあ、振り返ってみれば過不足のない会社人生だったと言えなくもないが、私は本日6月30日をもって産報出版を退職することとなった。すでに、2年前に社長は退任していて、その後主筆として常勤していたが、後任も立派に邁進しているし、この先、相談役の肩書きが与えられるらしいが、この際、社業からは一切身を引くこととした。
 そこで、このブログAKIBAノートも本日付が最終回となった。2013年の4月からスタートしていて丸3年となった。
 なお、産報出版のウエブサイトへのブログの連載ということでは、AKIBAノートの前身として秋葉原日記があって、こちらは2007年6月から連載が開始されており、引き継いだAKIBAノートも含めると、通算9年にわたってブログを書き綴ってきたこととなる。土休日は休みとしたが延べ連載回数は2000回を超したものと思われる。
 この間、好奇心のおもむくままに、モットーである何でも見てやろうとばかり、秋葉原のこと、本業の溶接のことのみならず、読書や旅のことなどと勝手気ままに書き綴ってきた。
 もちろんここまで続けてこられたのは、読者の皆さんの励ましがあったればこそのことで、ほぼ毎日読んで下さっている方も少なくなかったらしい。中には、自らモニターを買って下さる方もいてこれもありがたかった。この方には誤字脱字や言葉の誤用などを何度もご指摘いただいた。
 長い間のご愛読、お励ましありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

追伸:9年間も毎日ブログを綴ってきて、それが習慣となり身体に染みついてしまいました。退職後どうしたものか、腐心をしていたのですが、何もしないで老け込むのも嫌だし、まったく個人的に新たにブログを起ち上げることとしました。
 毎日の執筆は必ずしも楽なことではなく、退職後も負担を求めることに躊躇がなかったわけではありませんが、しばらくは続けようと思っております。結局、私は生涯一記者を目指してきましたが、やはりその通りに記者編集者なのだろうと思いますし、ある種、表現者なのだろうともつくづく思います。
 新しいブログは、秋葉原日記、AKIBAノートの延長線上になりかねませんが、極力、会社を離れ自由に書いて新しいブログを目指す所存です。7月1日から毎日更新します。引き続きご愛読いただけたら幸いです。アドレスは次の通りです。
<ブログ>
ABABA'sノート
本を片手に鉄道で行く岬への旅
http://www.shashosha70.com


写真1 神田佐久間町の産報佐久間ビル


写真2 産報出版の社内風景


写真3 筆者近影。産報出版の自室で。

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